03. 下請け営業と直受け営業の違い

この章では、下請け営業と直受け営業の違いを詳しく整理します。

どちらもWeb制作の案件獲得ですが、相手、営業の目的、伝えるべき情報、受注後の責任範囲が違います。

違いを理解しておくと、営業文やポートフォリオの見せ方を変えやすくなります。

相手の違い

下請け営業と直受け営業では、営業する相手が違います。

種類主な相手
下請け営業制作会社、デザイン会社、ディレクター、マーケター、広告代理店
直受け営業店舗、企業、個人事業主、団体、サービス運営者

下請け営業の相手は、Web制作やプロジェクト進行に慣れていることが多いです。

そのため、専門的な言葉が通じやすい一方で、品質や対応力も見られます。

直受け営業の相手は、Web制作に詳しくないことも多いです。

そのため、専門用語をそのまま並べるより、相手の事業や目的に合わせて説明する必要があります。

目的の違い

下請け営業の目的は、外部パートナー候補として覚えてもらうことです。

今すぐ案件が出るとは限りません。

「コーディングを頼める人」「WordPress対応できる人」「急ぎの下層ページを頼める人」として、候補に入ることが大切です。

直受け営業の目的は、相談を受け、制作内容に合意し、発注してもらうことです。

相手の課題を整理し、どんなサイトを作るのか、いくらかかるのか、どう進めるのかを説明します。

求められる信頼の違い

下請け営業では、「この人に任せると制作進行が楽になる」と思ってもらうことが重要です。

具体的には、次のような信頼です。

  • 指示を正しく理解できる
  • デザインを丁寧に再現できる
  • レスポンスが安定している
  • 納期を守れる
  • わからないことを早めに質問できる
  • 修正対応が丁寧
  • 守秘義務を守れる

直受け営業では、「この人に相談すれば目的に合う進め方を考えてくれる」と思ってもらうことが重要です。

具体的には、次のような信頼です。

  • 目的を聞いてくれる
  • 予算や納期を整理してくれる
  • 必要なページや機能を提案してくれる
  • 専門用語をわかりやすく説明してくれる
  • 見積もりの前提を説明してくれる
  • 公開後のことまで考えてくれる

どちらも信頼が大切ですが、信頼される理由が違います。

営業で伝える情報の違い

下請け営業では、相手が発注判断をしやすい情報を先に出します。

たとえば、次のような情報です。

  • 対応できる作業
  • 使用できる技術
  • 過去実績
  • ポートフォリオ
  • 稼働時間
  • 連絡可能時間
  • 目安単価
  • 対応開始可能日

直受け営業では、相手の課題に合わせて提案する必要があります。

そのため、最初から自分のスキルだけを並べるより、相手の状況を聞くことが重要です。

  • サイト制作の目的
  • 現状の課題
  • ターゲット
  • 必要なページ
  • 希望納期
  • 予算感
  • 公開後の運用

下請け営業は「判断材料を渡す」、直受け営業は「相談を整理する」と考えるとわかりやすいです。

クロージングの違い

直受け営業では、提案や見積もりを出した後に、発注するかどうかの判断があります。

そのため、発注前確認や意思決定の後押しが必要になることがあります。

一方、下請け営業では、強いクロージングをする場面は多くありません。

制作会社側は、案件が出たタイミングで必要なパートナーに連絡します。

そのため、下請け営業では、次の状態を作ることが大切です。

  • 連絡先がわかる
  • 対応範囲がわかる
  • 実績を確認できる
  • 稼働条件がわかる
  • 必要な時に思い出してもらえる

受注後の責任範囲の違い

下請け案件では、全体の進行管理は制作会社やディレクターが担当することが多いです。

自分は、コーディング、WordPress実装、ページ追加、修正対応など、担当範囲の作業に集中します。

ただし、担当範囲内の品質と納期には責任があります。

直受け案件では、制作全体の進行管理も自分が担うことが多くなります。

ヒアリング、要件整理、見積もり、素材回収、確認依頼、公開、納品後の対応まで見る必要があります。

この部分は、クライアントワーク講座ともつながります。

どちらから始めるか

どちらから始めるべきかは、人によって違います。

ただ、Web制作初期では、下請け営業から始める方が進めやすいことがあります。

理由は、制作会社側が案件全体を管理してくれる場合があり、自分は担当作業に集中しやすいからです。

一方で、直受け営業は、自由度が高い分、提案、見積もり、進行管理の負担も大きくなります。

最初は下請けで実務経験を積み、その後に直受けへ広げる流れも自然です。

この章のまとめ

  • 下請け営業と直受け営業では、相手、目的、伝える情報、責任範囲が違う
  • 下請け営業では、制作会社が判断しやすい情報を整理して届ける
  • 直受け営業では、相手の目的や課題を聞き、提案と見積もりに落とし込む
  • 下請け営業では、強いクロージングよりも候補に入ることが重要
  • まず下請けで実務経験を積み、直受けへ広げる流れも現実的