14. 直受けの見積もりと受注前確認

この章では、直受け営業の見積もりと受注前確認を学びます。

直受けでは、見積もりの前提を曖昧にすると、受注後に認識違いが起きやすくなります。

金額だけでなく、何が含まれていて、何が別途なのかを整理して伝えることが大切です。

見積もりに入れる項目

直受けの見積もりでは、作業項目を分けて書きます。

たとえば、次のような項目です。

  • 企画・構成
  • デザイン
  • コーディング
  • WordPress対応
  • フォーム対応
  • SEO基本設定
  • 公開作業
  • 操作説明
  • 保守・運用

すべての案件で同じ項目が必要なわけではありません。

案件の目的と制作範囲に合わせて整理します。

制作範囲を確認する

見積もり前に、制作範囲を確認します。

確認したい項目は次の通りです。

  • ページ数
  • デザイン作成の範囲
  • コーディングの範囲
  • スマホ対応
  • フォームの有無
  • WordPress対応の有無
  • 原稿作成の有無
  • 画像選定の有無
  • ドメイン・サーバー対応の有無
  • 公開作業の有無

制作範囲が曖昧なまま見積もりを出すと、後から追加対応が増えやすくなります。

修正回数を決める

修正回数も、受注前に確認します。

たとえば、次のように決めます。

  • デザイン修正は2回まで
  • 実装後の軽微な修正は1回まで
  • 大幅な構成変更は別途見積もり
  • デザイン確定後のページ追加は別途見積もり

修正回数を決める目的は、相手を制限することではありません。

確認のタイミングを区切り、意見をまとめてもらうためです。

素材準備の担当を決める

原稿や写真を誰が用意するかも確認します。

この確認をしないまま進めると、制作開始後に手が止まることがあります。

素材担当例
ロゴクライアント支給
写真クライアント支給または別途撮影
原稿クライアント初稿、制作側で調整
会社情報クライアント支給
アイコン制作側で用意

素材の準備が遅れると、納期にも影響します。

提出期限も合わせて決めておきます。

支払い条件を確認する

支払い条件も、受注前に確認します。

よくある支払い方法は次の通りです。

  • 着手時に50%、納品時に50%
  • 着手時に30%、公開時に70%
  • 月末締め翌月末払い
  • 納品後一括払い

どの方法にするかは、案件規模や相手との関係によって変わります。

ただし、支払いタイミングは必ず明確にします。

納品物を確認する

納品物も、受注前に確認します。

Web制作では、納品物の認識がずれることがあります。

たとえば、クライアントがデザインデータやソースファイル一式も受け取れると思っている場合があります。

確認したい項目は次の通りです。

  • 公開済みWebサイト
  • HTML/CSS/JavaScriptファイル
  • WordPressテーマ
  • デザインデータ
  • 画像素材
  • 操作マニュアル
  • 管理画面情報

どこまで含むかは、見積もりや契約の前提として伝えます。

権利関係や契約判断が必要な場合は、専門家に確認します。

見積もり前提を書く

見積書には、前提条件を書きます。

見積もり前提の例
本見積もりは、以下の前提で作成しています。

- ページ数はトップページ1ページ、下層ページ4ページです。
- 原稿と写真素材はご支給いただく想定です。
- デザイン修正は2回までを含みます。
- 大幅なページ追加や仕様変更は別途お見積もりとなります。
- 公開作業は現在のサーバー情報をご共有いただける前提です。
- 公開後の月次更新、保守作業は含まれていません。

前提条件があると、金額の意味が伝わりやすくなります。

発注前確認の文例

発注前には、合意内容を短くまとめて確認します。

発注前確認の例
ご発注前に、以下の内容で認識が合っているかご確認ください。

- 制作内容: コーポレートサイト新規制作
- ページ数: トップページ1ページ、下層ページ4ページ
- 修正回数: デザイン修正2回まで
- 素材: 原稿・写真はご支給
- 納期: 〇月〇日公開予定
- 支払い: 着手時50%、納品時50%
- 公開後対応: 公開後2週間の初期不具合対応

問題なければ、正式に制作開始の準備に進みます。

この確認があると、受注後の進行がスムーズになります。

この章のまとめ

  • 直受けの見積もりでは、金額だけでなく制作範囲と前提条件を書く
  • ページ数、機能、素材担当、公開作業の有無を確認する
  • 修正回数と追加対応の扱いを受注前に伝える
  • 支払い条件と納品物を明確にする
  • 発注前に合意内容を文章で確認すると、受注後の認識違いを減らせる