13. 直受けのヒアリングと提案

この章では、直受け営業におけるヒアリングと提案を学びます。

直受けでは、相手がWeb制作に詳しくないことも多いため、要望をそのまま受け取るだけではなく、目的や課題を整理する必要があります。

ヒアリングで集めた情報を、制作内容として提案にまとめます。

ヒアリングの目的

直受け営業のヒアリングは、見積もりのためだけに行うものではありません。

相手の目的、課題、優先順位を整理するために行います。

たとえば、「ホームページを作りたい」という相談には、さまざまな背景があります。

  • 問い合わせを増やしたい
  • 採用応募を増やしたい
  • 信頼感を出したい
  • 既存サイトが古くなった
  • スマホ対応したい
  • サービス内容を整理したい
  • 更新しやすくしたい

背景によって、必要なページや提案内容は変わります。

まず目的を聞く

最初に聞きたいのは、なぜサイトを作りたいのかです。

目的が曖昧だと、提案内容も曖昧になります。

質問例は次の通りです。

目的を聞く質問例
今回Webサイトを作りたい一番の理由は何ですか?

公開後に、どのような状態になっていると成功だと言えますか?

問い合わせ、採用、信頼感、情報整理の中で、特に重視したいものはありますか?

目的は1つに絞れないこともあります。

その場合は、優先順位をつけます。

現状の課題を聞く

既存サイトがある場合は、現状の課題を聞きます。

よくある課題は次の通りです。

  • デザインが古い
  • スマホで見づらい
  • 情報が古い
  • 問い合わせが少ない
  • 更新できる人がいない
  • ページ構成がわかりにくい
  • 採用情報が不足している

課題を聞いたら、Web制作上の対応に変換します。

たとえば、「スマホで見づらい」は、レスポンシブ対応、文字サイズ、ボタンの押しやすさ、導線改善などに分けられます。

ターゲットを聞く

サイトを見る人が誰かを確認します。

ターゲットが変わると、デザインや文章、ページ構成が変わります。

聞いておきたい項目は次の通りです。

  • 個人向けか法人向けか
  • 年齢層
  • 地域
  • 職種や役職
  • どんな悩みを持っているか
  • 何を比較しているか
  • 問い合わせ前に不安に思うこと

ターゲットを細かく作り込みすぎる必要はありません。

ただし、誰に向けたサイトなのかは確認しておきます。

予算感と納期を聞く

直受け営業では、予算感と納期も早めに確認します。

聞きにくい項目ですが、ここを避けると提案がずれやすくなります。

予算が大きくない場合は、ページ数や機能を絞る提案が必要です。

納期が短い場合は、初回公開の範囲を絞る必要があるかもしれません。

予算と納期の聞き方
ご希望の公開時期はありますか?

また、制作内容によって金額が変わるため、現時点で想定しているご予算感があれば教えてください。

予算や納期に合わせて、優先する内容を整理してご提案します。

予算を聞く目的は、相手から最大限の金額を引き出すことではありません。

現実的な提案にするためです。

提案にまとめる

ヒアリングした内容をもとに、提案にまとめます。

提案には、次のような項目を入れます。

  • 背景
  • 目的
  • 現状の課題
  • ターゲット
  • 制作方針
  • 必要なページ
  • 必要な機能
  • スケジュール
  • 見積もり
  • 次のステップ

提案では、単に「このページを作ります」と言うだけでなく、目的と制作内容をつなげます。

たとえば、「問い合わせを増やすために、サービス説明と実績ページを整理します」のように伝えます。

提案の書き方

提案は、きれいな資料であることよりも、相手が納得できる流れになっていることが大切です。

簡単な提案なら、メールやGoogleドキュメントでも十分です。

提案の骨子
目的:
サービス内容をわかりやすく伝え、問い合わせにつなげる。

課題:
現在のサイトでは、サービスの違いや実績が伝わりにくい。

提案:
- トップページで主なサービスと強みを整理する
- サービス詳細ページを作る
- 実績ページを追加する
- お問い合わせ導線を各ページに配置する

制作範囲:
トップページ、サービスページ、実績ページ、会社概要、お問い合わせフォーム

このように、目的、課題、提案をつなげると伝わりやすくなります。

提案しすぎに注意する

直受け営業では、よかれと思って提案を広げすぎることがあります。

しかし、相手の予算や運用体制に合わない提案は、実行されにくくなります。

たとえば、更新できる人がいないのに、ブログ運用を前提にした提案をしても続きません。

提案では、次のことを考えます。

  • 相手が運用できるか
  • 予算に合っているか
  • 納期に合っているか
  • 目的に対して優先度が高いか
  • 公開後に負担にならないか

必要なものを全部入れるのではなく、今回やるべき範囲を決めます。

この章のまとめ

  • 直受けのヒアリングでは、目的、課題、ターゲット、予算、納期を確認する
  • 要望をそのまま受け取るのではなく、制作内容に変換する
  • 提案では、目的とページ構成、機能、導線をつなげて説明する
  • 予算や納期に合わせて、優先順位をつける
  • 提案は、相手が運用できる現実的な内容にする