11. 下請けの単価と条件整理

この章では、下請け案件の単価と条件整理について学びます。

単価は、営業を始める時に悩みやすいテーマです。

ここでは、正解の金額を決めるのではなく、作業範囲、難易度、納期、責任範囲をもとに条件を整理する考え方を扱います。

単価の種類

下請け案件では、さまざまな単価の決め方があります。

代表的なものは次の通りです。

種類内容
時給作業時間に対して料金を決める
日単価1日あたりの稼働料金を決める
ページ単価1ページごとに料金を決める
案件単価案件全体で料金を決める
月額継続的な稼働枠として料金を決める

どの形がよいかは、案件内容や取引先によって変わります。

制作会社側に既定の単価がある場合もあります。

作業範囲で考える

単価を考える時は、まず作業範囲を確認します。

同じ「1ページ」でも、作業量は大きく違います。

たとえば、次のような違いがあります。

  • 静的な下層ページ
  • 動きの多いLP
  • フォーム付きページ
  • WordPress化が必要なページ
  • 既存サイトの複雑な修正
  • デザインが未確定のページ

ページ数だけで判断すると、作業量を見誤ることがあります。

内容、難易度、確認回数、修正範囲も見ます。

納期と単価

納期が短い案件は、通常より負担が大きくなります。

急ぎの案件では、他の予定を調整したり、夜間や休日に作業したりすることがあります。

そのため、短納期案件では、通常単価と同じでよいか考える必要があります。

確認したい項目は次の通りです。

  • いつまでに必要か
  • どこまで完成させる必要があるか
  • 確認期間はあるか
  • 修正対応の時間はあるか
  • 他案件に影響しないか

短納期でも、範囲が小さければ対応できる場合があります。

逆に、範囲が広く確認期間がない場合は、慎重に判断します。

修正回数と単価

修正回数も条件として確認します。

下請け案件では、制作会社側がクライアントとの修正対応を管理していることが多いです。

ただし、修正が何度も続くと、作業時間が増えます。

確認したい項目は次の通りです。

  • 修正回数の目安
  • 修正依頼の出し方
  • 軽微な修正の範囲
  • 大幅な仕様変更の扱い
  • 追加費用になる条件

見積もり時に修正範囲を確認しておくと、後で相談しやすくなります。

安請けしすぎないために

最初の実績づくりでは、低めの単価で受けることもあるかもしれません。

ただし、安請けしすぎると、継続するほど苦しくなることがあります。

安請けしすぎないために、次のことを考えます。

  • 作業時間に対して見合っているか
  • 修正対応まで含めると赤字にならないか
  • 学習目的として受ける意味があるか
  • 実績掲載できるか
  • 継続につながる可能性があるか
  • 相手との関係が良好か

単価だけで判断するのではなく、経験、実績、関係性も含めて考えます。

ただし、明らかに負担が大きい案件は慎重に判断します。

条件確認の項目

下請け案件を受ける前に、次の項目を確認します。

  • 作業範囲
  • 納期
  • 素材やデザインデータの有無
  • 修正対応の範囲
  • 提出方法
  • 検収方法
  • 支払い条件
  • 実績掲載の可否
  • 守秘義務
  • 連絡ツール

すべてを毎回細かく聞く必要はありません。

ただし、不明なまま進めると後で困る項目は確認します。

条件確認の文例

案件相談を受けた時は、次のように確認できます。

条件確認の例
ご相談ありがとうございます。

対応可否とお見積もりを確認するため、以下を教えていただけますでしょうか。

1. 対応範囲
2. 希望納期
3. デザインデータの有無
4. ページ数
5. JavaScriptやフォームなどの機能有無
6. 修正回数の目安
7. 提出方法

確認後、対応可否と目安金額をご連絡します。

不明点を確認することは、相手に手間をかけることではありません。

正確に進めるために必要な作業です。

単価を上げるタイミング

経験が増えてきたら、単価を見直すことも必要です。

単価を上げる理由には、次のようなものがあります。

  • 対応できる範囲が広がった
  • 品質が安定してきた
  • 実績が増えた
  • 継続依頼が増えた
  • 作業時間の見積もり精度が上がった
  • 現在の単価では継続が難しい

既存の取引先に単価変更を伝える場合は、急に変えるのではなく、タイミングを見て相談します。

たとえば、次回案件からの変更や、新規案件からの変更として伝える方法があります。

この章のまとめ

  • 下請け案件の単価には、時給、日単価、ページ単価、案件単価、月額などがある
  • 単価は、作業範囲、納期、修正回数、責任範囲とセットで考える
  • ページ数だけでは作業量を判断できない
  • 安請けしすぎると、継続するほど苦しくなることがある
  • 案件前に、作業範囲、納期、修正範囲、支払い条件を確認する