この章では、営業を始める前に自分の対応範囲を整理します。
営業文やプロフィールを書く前に、まず自分が何をできるのか、どこまで対応できるのかを明確にします。
対応範囲が曖昧なままだと、営業先も判断しづらくなります。
対応範囲を整理する理由
営業では、自分を大きく見せることよりも、相手が判断しやすい情報を出すことが大切です。
制作会社やディレクターは、案件ごとに必要な人を探しています。
たとえば、次のような探し方をします。
- HTML/CSSコーディングを頼める人
- WordPress化まで対応できる人
- JavaScriptのUI実装ができる人
- Figmaデザインを再現できる人
- 下層ページを量産できる人
- 既存サイトの軽微な修正ができる人
自分の対応範囲が整理されていると、相手は「この案件ならお願いできそう」と判断しやすくなります。
技術面の対応範囲
まず、技術面で対応できることを整理します。
たとえば、次のような項目です。
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| HTML/CSS | 静的ページのコーディング、レスポンシブ対応 |
| JavaScript | メニュー、タブ、モーダル、スライダーなどのUI実装 |
| WordPress | テーマ化、投稿一覧、カスタム投稿、固定ページ |
| CSS設計 | BEM、Sass、既存ルールへの対応 |
| アニメーション | CSSアニメーション、GSAPなど |
| フォーム | 静的フォーム、WordPressフォーム、外部フォーム連携 |
| 公開作業 | サーバーアップロード、簡単な公開前確認 |
すべてできる必要はありません。
大切なのは、できることと、まだ対応が難しいことを分けておくことです。
デザイン対応の有無
Web制作では、デザインまで対応するのか、コーディングのみなのかを明確にします。
制作会社への下請け営業では、デザインデータをもとにコーディングする案件も多くあります。
その場合、デザインスキルよりも、再現力や実装品質が重視されます。
一方で、直受け営業では、デザインも含めて相談されることがあります。
自分がデザインを担当できるのか、別のデザイナーと組むのかを整理しておきます。
| 対応 | 伝え方の例 |
|---|---|
| コーディングのみ | FigmaデザインをもとにHTML/CSS/JavaScriptで実装できます |
| デザインも対応 | サイト構成からデザイン、実装まで対応できます |
| デザインは外部連携 | デザインはパートナーと連携して対応します |
曖昧なまま受けると、後で対応範囲が広がりやすくなります。
WordPress対応の範囲
WordPress対応は、できる範囲の差が出やすい項目です。
「WordPressできます」とだけ書くと、相手は広く解釈してしまうことがあります。
次のように分けて整理します。
- 既存テーマの軽微な修正
- 静的HTMLのWordPress化
- 固定ページの作成
- 投稿一覧・詳細ページ
- カスタム投稿タイプ
- カスタムフィールド
- お問い合わせフォーム
- 管理画面の調整
- プラグイン選定
- サーバー移行
初心者のうちは、無理にすべて対応できると言わなくて大丈夫です。
できる範囲を正確に伝える方が、相手との認識違いを減らせます。
稼働条件を整理する
下請け営業では、稼働条件も大切です。
制作会社は、案件のスケジュールに合わせて依頼できる人を探しています。
整理しておきたい項目は次の通りです。
- 週に何時間くらい稼働できるか
- 平日と土日の稼働状況
- 連絡可能な時間帯
- 着手可能日
- 短納期対応の可否
- 打ち合わせ対応の可否
- 継続案件の可否
稼働条件が明確だと、相手は依頼タイミングを判断しやすくなります。
たとえば、「平日夜と土日中心で週15時間程度対応可能です」のように書けます。
対応できないことも整理する
対応できることだけでなく、対応できないことも整理しておきます。
対応できないことを明確にするのは、弱みを見せるためではありません。
認識違いを防ぐためです。
たとえば、次のようなものです。
- デザイン制作は対応していない
- 写真撮影は対応していない
- 複雑なバックエンド開発は対応していない
- サーバー構築は対応していない
- 短納期の大型案件は対応できない
- 常駐案件は対応できない
すべてを断定的に書く必要はありません。
営業文では、必要に応じて「現在はコーディング中心に対応しています」のように表現できます。
対応範囲メモの例
営業前に、自分用の対応範囲メモを作っておくと便利です。
対応できること:
- HTML/CSSコーディング
- レスポンシブ対応
- JavaScriptの基本的なUI実装
- Figmaデザインからのコーディング
- WordPressの固定ページ・投稿一覧の実装
対応相談:
- カスタム投稿タイプ
- お問い合わせフォーム
- 既存サイトの軽微な修正
対応していないこと:
- デザイン制作
- 写真撮影
- 複雑なバックエンド開発
稼働条件:
- 平日夜と土日中心
- 週15時間程度
- Chatwork / Slack / メール対応可このメモをもとに、プロフィールや営業文を作ると整理しやすくなります。
得意領域を決める
対応範囲に加えて、得意領域も言語化しておきます。
得意領域は、必ずしも高度な技術である必要はありません。
たとえば、次のようなものでも十分です。
- Figmaデザインの丁寧な再現
- スマホ表示の調整
- BEMを意識したCSS
- LPのコーディング
- WordPressのお知らせ更新機能
- 既存サイトの修正
- レスポンスの早さ
制作会社は、具体的に任せられる場面が見える人に依頼しやすくなります。
「何でもできます」よりも、「この作業が得意です」の方が伝わることがあります。
この章のまとめ
- 営業前に、自分が対応できる作業と対応できない作業を整理する
- 制作会社は、必要な作業に合う人を探している
- WordPressやデザイン対応は、範囲を細かく分けて伝える
- 稼働時間、連絡可能時間、着手可能日も営業では重要
- 対応範囲メモを作ると、プロフィールや営業文を書きやすくなる