この章では、Web制作営業の全体像を整理します。
案件を獲得するルートは1つではありません。
制作会社への営業、紹介、SNS、ポートフォリオ、知人経由、直受け相談など、複数の入口があります。
それぞれの特徴を知っておくと、自分が今どこから取り組むべきか判断しやすくなります。
案件獲得の主なルート
Web制作案件の獲得ルートには、次のようなものがあります。
- 制作会社への営業
- デザイン会社への営業
- ディレクターやマーケターとのつながり
- 知人や既存のつながりからの紹介
- SNSでの発信
- ポートフォリオサイトからの問い合わせ
- クラウドソーシング
- 交流会やコミュニティ
- エンドクライアントへの直営業
どれが正解というわけではありません。
ただし、Web制作を始めたばかりの段階では、制作会社やディレクターから下請けとして仕事を受けるルートが現実的なことが多いです。
制作会社への営業
制作会社への営業では、外部パートナーとして覚えてもらうことを目指します。
制作会社は、案件が重なった時や、特定の作業を外部に出したい時に、信頼できるパートナーを探します。
この時に見られるのは、次のような点です。
- 対応できる作業範囲
- 実装品質
- レスポンスの速さ
- 納期を守れそうか
- デザイン再現力
- WordPress対応の有無
- 過去の制作実績
- コミュニケーションのしやすさ
制作会社への営業では、相手が判断しやすいように、必要な情報をコンパクトにまとめることが大切です。
紹介
紹介は、信頼が乗りやすい案件獲得ルートです。
知人、元同僚、学習仲間、過去のクライアント、制作会社などから紹介されることがあります。
紹介では、最初から一定の安心感がある一方で、紹介者の信頼も関わります。
そのため、対応が雑だと紹介者にも迷惑がかかります。
紹介案件では、次のことを丁寧に確認します。
- 誰からの紹介か
- 相手が何を求めているか
- 自分で対応できる範囲か
- 予算や納期に無理がないか
- 受けるべき案件か
紹介だからといって、必ず受けなければいけないわけではありません。
難しい場合は、理由を添えて丁寧に断ることも大切です。
SNSとポートフォリオ
SNSやポートフォリオは、自分の活動を見つけてもらうための場所です。
SNSでは、日々の学習、制作物、考え方、対応できることを発信できます。
ポートフォリオでは、実績やサービス内容を整理して見せられます。
ただし、SNSを頑張れば自動的に案件が来るわけではありません。
見る人が判断できる情報を用意する必要があります。
- 何ができる人なのか
- どんな制作物を作れるのか
- どこまで対応できるのか
- 相談するにはどうすればよいのか
- 実績やサンプルはどこで見られるのか
SNSとポートフォリオは、営業文を送った時の確認先にもなります。
営業先があなたを調べた時に、情報が整理されている状態を作っておきます。
クラウドソーシング
クラウドソーシングは、案件を探しやすい一方で、競争が激しくなりやすい場所です。
低単価になりやすい案件もあります。
ただし、最初の実績づくりや、提案文の練習として使える場合もあります。
利用する場合は、次の点に注意します。
- 作業範囲が明確か
- 納期が現実的か
- 予算が低すぎないか
- 修正回数が決まっているか
- 連絡が取れる相手か
- 実績として掲載できるか
価格だけで案件を選ぶと、作業量に対して負担が大きくなることがあります。
条件をよく確認します。
直受け相談
直受け相談は、エンドクライアントから直接相談を受ける形です。
店舗、企業、個人事業主などが相手になります。
直受けでは、制作会社を挟まないため、ヒアリング、提案、見積もり、進行管理まで自分で行う必要があります。
その分、制作範囲や価格を自分で設計しやすい一方で、責任範囲も広くなります。
直受け相談では、次の力が必要です。
- 相手の目的を聞く力
- 課題を整理する力
- 制作範囲を決める力
- 見積もりを説明する力
- スケジュールを管理する力
- 納品後の対応範囲を伝える力
直受け営業は、後半の章で扱います。
最初に取り組みやすいルート
Web制作を始めたばかりなら、最初から大きな直受け案件を狙うよりも、下請け営業や小さな紹介案件から始める方が進めやすいことがあります。
下請け営業では、制作会社やディレクターが案件全体を管理してくれる場合があります。
その分、自分はコーディング、WordPress実装、下層ページ作成など、担当範囲に集中しやすくなります。
ただし、下請けでも責任はあります。
納期、品質、連絡、守秘義務を守ることが前提です。
営業は接点づくり
営業という言葉には、売り込むイメージがあるかもしれません。
しかし、Web制作の営業では、まず接点を作ることが大切です。
相手が今すぐ発注するとは限りません。
数週間後、数か月後に案件が出た時に思い出してもらうこともあります。
そのため、営業では次の状態を目指します。
- 何ができる人か伝わっている
- 連絡先がわかる
- 実績やサンプルを見られる
- 稼働条件が大きくズレていない
- 相談しやすい印象がある
最初から受注だけを目的にすると、営業が苦しくなります。
まずは、相手が判断できる情報を届けることから始めます。
この章のまとめ
- Web制作案件の獲得ルートは、制作会社営業、紹介、SNS、ポートフォリオ、直受け相談など複数ある
- 初期段階では、制作会社やディレクターへの下請け営業が現実的なことが多い
- SNSやポートフォリオは、営業先が自分を確認する場所としても重要
- 直受け営業では、提案、見積もり、進行管理まで自分で行う必要がある
- 営業は、強い売り込みではなく、相手が判断できる情報を届ける接点づくりでもある