15. レポートと改善提案

この章では、レポートと改善提案を学びます。

運用改善では、数字を見て終わりではなく、クライアントにわかりやすく伝え、次に何をするかを提案することが大切です。

難しい用語を並べるより、目的に対して何が起きているかを整理します。

レポートの目的

レポートの目的は、数字を並べることではありません。

現状を共有し、次の改善につなげることです。

レポートでは、次のことを伝えます。

  • 何が起きているか
  • 良かった点
  • 課題
  • 考えられる原因
  • 次に行う改善案
  • クライアントに対応してほしいこと

数字だけを見せても、相手が判断できないことがあります。

数字の意味と、次の行動をセットで伝えます。

目的に合わせて数字を選ぶ

レポートで見る数字は、サイトの目的に合わせます。

問い合わせを増やしたいサイトなら、アクセス数だけでなく問い合わせ数やフォーム到達も見ます。

採用サイトなら、募集要項ページの閲覧や応募導線を見ます。

店舗サイトなら、Googleビジネスプロフィール、アクセスページ、電話タップなども関係します。

目的見る数字
問い合わせフォーム到達、送信数、CTAクリック
集客検索表示回数、クリック、流入元
採用採用ページ閲覧、応募クリック
店舗来店アクセスページ、電話、プロフィール閲覧

目的と関係の薄い数字をたくさん出すと、かえってわかりにくくなります。

よく使う項目

小さなサイトのレポートでは、次のような項目が使いやすいです。

  • ユーザー数
  • セッション数
  • 流入元
  • よく見られたページ
  • 問い合わせ数
  • 検索表示回数
  • 検索クリック数
  • CTR
  • 主要クエリ
  • 改善したページ

全部を毎回出す必要はありません。

目的に合わせて絞ります。

数字の変化を見る

レポートでは、数字の変化を見ます。

前月比、前年同月比、施策前後などで比較します。

ただし、小さなサイトでは数字のブレが大きいことがあります。

1か月だけの変化で決めつけず、傾向として見ます。

たとえば、次のように伝えます。

レポート文例
今月は検索からの表示回数が前月より増えています。

一方でクリック率は大きく変わっていないため、表示されているクエリに合わせてtitleとdescriptionを見直す余地があります。

数字と解釈をセットで伝えます。

改善提案を書く

改善提案では、課題、仮説、施策をセットで書きます。

改善提案例
課題:
サービスページの閲覧は多いが、お問い合わせへの遷移が少ない。

仮説:
料金や相談の流れがわからず、問い合わせ前に不安が残っている可能性がある。

施策:
サービスページ内に、料金目安、制作の流れ、よくある質問への導線を追加する。

この形にすると、なぜその改善をするのかが伝わりやすくなります。

クライアントに依頼すること

改善には、クライアント側の協力が必要なこともあります。

たとえば、次のようなものです。

  • 実績写真の提供
  • お客様の声の確認
  • 料金情報の整理
  • よくある質問の洗い出し
  • Googleビジネスプロフィールの権限共有
  • 問い合わせ内容の共有

レポートでは、制作側でできることと、クライアントにお願いしたいことを分けて伝えます。

専門用語を噛み砕く

クライアントに伝える時は、専門用語をそのまま並べすぎないようにします。

たとえば、CTRやCVRという言葉を使う場合でも、簡単に説明します。

説明例
CTRは、検索結果に表示されたうち、どれくらいクリックされたかを示す割合です。

今回は表示回数は増えていますが、クリック率が低いため、検索結果での見え方を見直します。

相手が判断できる言葉に変えることが大切です。

この章のまとめ

  • レポートは、現状を共有し、次の改善につなげるためのもの
  • サイトの目的に合わせて見る数字を絞る
  • 数字は、変化と意味をセットで伝える
  • 改善提案は、課題、仮説、施策で整理する
  • 次の章では、架空サイトを題材に運用改善の流れを実践する