この章では、レポートと改善提案を学びます。
運用改善では、数字を見て終わりではなく、クライアントにわかりやすく伝え、次に何をするかを提案することが大切です。
難しい用語を並べるより、目的に対して何が起きているかを整理します。
レポートの目的
レポートの目的は、数字を並べることではありません。
現状を共有し、次の改善につなげることです。
レポートでは、次のことを伝えます。
- 何が起きているか
- 良かった点
- 課題
- 考えられる原因
- 次に行う改善案
- クライアントに対応してほしいこと
数字だけを見せても、相手が判断できないことがあります。
数字の意味と、次の行動をセットで伝えます。
目的に合わせて数字を選ぶ
レポートで見る数字は、サイトの目的に合わせます。
問い合わせを増やしたいサイトなら、アクセス数だけでなく問い合わせ数やフォーム到達も見ます。
採用サイトなら、募集要項ページの閲覧や応募導線を見ます。
店舗サイトなら、Googleビジネスプロフィール、アクセスページ、電話タップなども関係します。
| 目的 | 見る数字 |
|---|---|
| 問い合わせ | フォーム到達、送信数、CTAクリック |
| 集客 | 検索表示回数、クリック、流入元 |
| 採用 | 採用ページ閲覧、応募クリック |
| 店舗来店 | アクセスページ、電話、プロフィール閲覧 |
目的と関係の薄い数字をたくさん出すと、かえってわかりにくくなります。
よく使う項目
小さなサイトのレポートでは、次のような項目が使いやすいです。
- ユーザー数
- セッション数
- 流入元
- よく見られたページ
- 問い合わせ数
- 検索表示回数
- 検索クリック数
- CTR
- 主要クエリ
- 改善したページ
全部を毎回出す必要はありません。
目的に合わせて絞ります。
数字の変化を見る
レポートでは、数字の変化を見ます。
前月比、前年同月比、施策前後などで比較します。
ただし、小さなサイトでは数字のブレが大きいことがあります。
1か月だけの変化で決めつけず、傾向として見ます。
たとえば、次のように伝えます。
今月は検索からの表示回数が前月より増えています。
一方でクリック率は大きく変わっていないため、表示されているクエリに合わせてtitleとdescriptionを見直す余地があります。数字と解釈をセットで伝えます。
改善提案を書く
改善提案では、課題、仮説、施策をセットで書きます。
課題:
サービスページの閲覧は多いが、お問い合わせへの遷移が少ない。
仮説:
料金や相談の流れがわからず、問い合わせ前に不安が残っている可能性がある。
施策:
サービスページ内に、料金目安、制作の流れ、よくある質問への導線を追加する。この形にすると、なぜその改善をするのかが伝わりやすくなります。
クライアントに依頼すること
改善には、クライアント側の協力が必要なこともあります。
たとえば、次のようなものです。
- 実績写真の提供
- お客様の声の確認
- 料金情報の整理
- よくある質問の洗い出し
- Googleビジネスプロフィールの権限共有
- 問い合わせ内容の共有
レポートでは、制作側でできることと、クライアントにお願いしたいことを分けて伝えます。
専門用語を噛み砕く
クライアントに伝える時は、専門用語をそのまま並べすぎないようにします。
たとえば、CTRやCVRという言葉を使う場合でも、簡単に説明します。
CTRは、検索結果に表示されたうち、どれくらいクリックされたかを示す割合です。
今回は表示回数は増えていますが、クリック率が低いため、検索結果での見え方を見直します。相手が判断できる言葉に変えることが大切です。
この章のまとめ
- レポートは、現状を共有し、次の改善につなげるためのもの
- サイトの目的に合わせて見る数字を絞る
- 数字は、変化と意味をセットで伝える
- 改善提案は、課題、仮説、施策で整理する
- 次の章では、架空サイトを題材に運用改善の流れを実践する