08. コミュニケーションと議事録

この章では、クライアントとの連絡方法と議事録の残し方を学びます。

クライアントワークでは、よい制作物を作ることと同じくらい、認識違いを減らすことが大切です。

そのために、連絡手段、返信期限、決定事項、未決事項を整理しておきます。

連絡手段を決める

案件が始まったら、主な連絡手段を決めます。

連絡手段が複数に分かれると、重要な情報を見落としやすくなります。

よく使われる連絡手段は次の通りです。

  • メール
  • Chatwork
  • Slack
  • LINE
  • Google Chat
  • Zoom
  • Google Meet

小さな案件ではLINEだけで進むこともあります。

ただし、重要な決定事項は、あとから検索しやすい形で残す方が安全です。

返信期限を決める

確認依頼を送る時は、返信期限を添えます。

期限がない確認依頼は、相手にとって優先順位をつけにくくなります。

たとえば、次のように書きます。

確認依頼の例
トップページのデザイン初稿を共有します。

〇月〇日(〇)17:00までに、修正希望や気になる点をご返信ください。
いただいた内容をもとに、次週から下層ページのデザインに進みます。

期限を書く時は、日付と曜日、できれば時間まで入れるとわかりやすいです。

打ち合わせ後に議事録を送る

打ち合わせをしたら、議事録を送ります。

議事録は、長い文章である必要はありません。

重要なのは、決まったこと、まだ決まっていないこと、次にやることを残すことです。

議事録があると、後から「言った・言わない」になりにくくなります。

また、打ち合わせに参加できなかった人にも共有しやすくなります。

議事録に入れる項目

議事録には、次の項目を入れます。

  • 打ち合わせ日時
  • 参加者
  • 決定事項
  • 未決事項
  • 宿題
  • 担当者
  • 期限
  • 次回確認すること

特に大切なのは、決定事項と宿題です。

誰が何をいつまでに行うのかを明確にします。

議事録テンプレート
日時:
〇年〇月〇日 14:00〜15:00

参加者:
株式会社サンプル 田中様
制作側 山田

決定事項:
- トップページのメインビジュアルは採用訴求を重視する
- お問い合わせフォームの項目は5項目にする
- 公開希望日は〇月〇日とする

未決事項:
- 代表メッセージを掲載するか
- 実績ページの初期掲載件数

宿題:
- 田中様: 採用ページ用の写真を〇月〇日までに共有
- 山田: トップページ構成案を〇月〇日までに共有

この程度でも、十分に役立ちます。

テキストで残す理由

電話やオンライン会議だけで話を進めると、あとから確認しづらくなります。

その場では合意したつもりでも、時間が経つと記憶が曖昧になります。

重要な内容は、必ずテキストで残します。

テキストで残したい内容は次の通りです。

  • 金額
  • 納期
  • 制作範囲
  • 修正回数
  • 追加対応の有無
  • 公開日
  • 素材提出期限
  • 最終確認者

テキストに残すことは、相手を疑うためではありません。

お互いの認識を守るためのものです。

確認依頼の書き方

確認依頼では、何を見てほしいのかを明確にします。

単に「確認お願いします」だけだと、相手はどこを見ればよいかわかりません。

次のように、確認してほしいポイントを書きます。

確認依頼文
トップページのデザイン初稿を共有します。

以下の点を中心にご確認ください。

1. 掲載内容に不足がないか
2. 事業内容の伝わり方に違和感がないか
3. 写真や文言の差し替えが必要か
4. お問い合わせ導線が問題ないか

〇月〇日(〇)17:00までに修正希望をまとめてご返信ください。

確認してほしい範囲を絞ると、返答の質が上がります。

返信がない時のリマインド

確認依頼に返信がない場合は、早めにリマインドします。

リマインドでは、相手を責めず、状況と影響を伝えます。

リマインドの例
先日共有したトップページデザインについて、確認期限が本日17:00となっております。

本日中にご確認いただける場合は、予定通り下層ページの制作に進めます。
確認に時間がかかりそうな場合は、スケジュールを調整しますのでご連絡ください。

返信が遅れている理由は、単に忙しいだけかもしれません。

選択肢を添えると、相手も返しやすくなります。

言いにくいことの伝え方

クライアントワークでは、言いにくいことを伝える場面があります。

たとえば、追加費用が必要な時、納期に影響する時、要望をそのまま反映できない時です。

そのような時は、感情的に伝えるのではなく、理由と代替案をセットにします。

追加対応の伝え方
ご依頼いただいた新規ページの追加について、当初の制作範囲には含まれていない内容となります。

対応する場合は、追加でお見積もりを作成します。
公開日を優先する場合は、今回は既存ページ内に簡易的に掲載し、公開後に別ページ化する進め方も可能です。

ただ断るのではなく、選択肢を提示すると話し合いになりやすくなります。

この章のまとめ

  • 連絡手段を決め、重要な決定事項はテキストで残す
  • 確認依頼には、返信期限と確認してほしいポイントを書く
  • 議事録には、決定事項、未決事項、宿題、担当者、期限を入れる
  • 返信がない時は、状況と影響を伝えてリマインドする
  • 言いにくいことは、理由と代替案をセットで早めに伝える