この章では、クライアントとの連絡方法と議事録の残し方を学びます。
クライアントワークでは、よい制作物を作ることと同じくらい、認識違いを減らすことが大切です。
そのために、連絡手段、返信期限、決定事項、未決事項を整理しておきます。
連絡手段を決める
案件が始まったら、主な連絡手段を決めます。
連絡手段が複数に分かれると、重要な情報を見落としやすくなります。
よく使われる連絡手段は次の通りです。
- メール
- Chatwork
- Slack
- LINE
- Google Chat
- Zoom
- Google Meet
小さな案件ではLINEだけで進むこともあります。
ただし、重要な決定事項は、あとから検索しやすい形で残す方が安全です。
返信期限を決める
確認依頼を送る時は、返信期限を添えます。
期限がない確認依頼は、相手にとって優先順位をつけにくくなります。
たとえば、次のように書きます。
トップページのデザイン初稿を共有します。
〇月〇日(〇)17:00までに、修正希望や気になる点をご返信ください。
いただいた内容をもとに、次週から下層ページのデザインに進みます。期限を書く時は、日付と曜日、できれば時間まで入れるとわかりやすいです。
打ち合わせ後に議事録を送る
打ち合わせをしたら、議事録を送ります。
議事録は、長い文章である必要はありません。
重要なのは、決まったこと、まだ決まっていないこと、次にやることを残すことです。
議事録があると、後から「言った・言わない」になりにくくなります。
また、打ち合わせに参加できなかった人にも共有しやすくなります。
議事録に入れる項目
議事録には、次の項目を入れます。
- 打ち合わせ日時
- 参加者
- 決定事項
- 未決事項
- 宿題
- 担当者
- 期限
- 次回確認すること
特に大切なのは、決定事項と宿題です。
誰が何をいつまでに行うのかを明確にします。
日時:
〇年〇月〇日 14:00〜15:00
参加者:
株式会社サンプル 田中様
制作側 山田
決定事項:
- トップページのメインビジュアルは採用訴求を重視する
- お問い合わせフォームの項目は5項目にする
- 公開希望日は〇月〇日とする
未決事項:
- 代表メッセージを掲載するか
- 実績ページの初期掲載件数
宿題:
- 田中様: 採用ページ用の写真を〇月〇日までに共有
- 山田: トップページ構成案を〇月〇日までに共有この程度でも、十分に役立ちます。
テキストで残す理由
電話やオンライン会議だけで話を進めると、あとから確認しづらくなります。
その場では合意したつもりでも、時間が経つと記憶が曖昧になります。
重要な内容は、必ずテキストで残します。
テキストで残したい内容は次の通りです。
- 金額
- 納期
- 制作範囲
- 修正回数
- 追加対応の有無
- 公開日
- 素材提出期限
- 最終確認者
テキストに残すことは、相手を疑うためではありません。
お互いの認識を守るためのものです。
確認依頼の書き方
確認依頼では、何を見てほしいのかを明確にします。
単に「確認お願いします」だけだと、相手はどこを見ればよいかわかりません。
次のように、確認してほしいポイントを書きます。
トップページのデザイン初稿を共有します。
以下の点を中心にご確認ください。
1. 掲載内容に不足がないか
2. 事業内容の伝わり方に違和感がないか
3. 写真や文言の差し替えが必要か
4. お問い合わせ導線が問題ないか
〇月〇日(〇)17:00までに修正希望をまとめてご返信ください。確認してほしい範囲を絞ると、返答の質が上がります。
返信がない時のリマインド
確認依頼に返信がない場合は、早めにリマインドします。
リマインドでは、相手を責めず、状況と影響を伝えます。
先日共有したトップページデザインについて、確認期限が本日17:00となっております。
本日中にご確認いただける場合は、予定通り下層ページの制作に進めます。
確認に時間がかかりそうな場合は、スケジュールを調整しますのでご連絡ください。返信が遅れている理由は、単に忙しいだけかもしれません。
選択肢を添えると、相手も返しやすくなります。
言いにくいことの伝え方
クライアントワークでは、言いにくいことを伝える場面があります。
たとえば、追加費用が必要な時、納期に影響する時、要望をそのまま反映できない時です。
そのような時は、感情的に伝えるのではなく、理由と代替案をセットにします。
ご依頼いただいた新規ページの追加について、当初の制作範囲には含まれていない内容となります。
対応する場合は、追加でお見積もりを作成します。
公開日を優先する場合は、今回は既存ページ内に簡易的に掲載し、公開後に別ページ化する進め方も可能です。ただ断るのではなく、選択肢を提示すると話し合いになりやすくなります。
この章のまとめ
- 連絡手段を決め、重要な決定事項はテキストで残す
- 確認依頼には、返信期限と確認してほしいポイントを書く
- 議事録には、決定事項、未決事項、宿題、担当者、期限を入れる
- 返信がない時は、状況と影響を伝えてリマインドする
- 言いにくいことは、理由と代替案をセットで早めに伝える