14. コーディングしやすいデザイン

この章では、コーディングしやすいデザインの考え方を学びます。

Webデザインは、最終的にHTML、CSS、JavaScriptなどで実装されます。

そのため、見た目がよいだけでなく、実装しやすく、あとから直しやすいことも大切です。

実装しやすいデザインとは

実装しやすいデザインとは、ルールが整理されていて、画面幅や内容の変化に対応しやすいデザインです。

たとえば、次のような特徴があります。

  • 余白のルールがある
  • 文字サイズの階層が整理されている
  • ボタンやカードの見た目が統一されている
  • 画像比率が決まっている
  • PCとスマホの見せ方が考えられている
  • ホバーやエラーなど状態違いがある
  • テキスト量が変わっても崩れにくい

デザインが整理されているほど、コーディングも安定します。

余白ルール

余白がすべて感覚で決まっていると、実装時に迷いやすくなります。

たとえば、見た目上は似ていても、実際には 23px、31px、47px のように細かくばらついていると、CSSのルールに落とし込みにくくなります。

余白は、ある程度の単位でそろえると扱いやすくなります。

  • 8px
  • 16px
  • 24px
  • 32px
  • 48px
  • 64px

実際の数値はプロジェクトによります。

大切なのは、余白に意味とルールがあることです。

文字ルール

文字サイズや太さも、階層ごとに整理します。

たとえば、次のように決めます。

種類
ページタイトル40px / 600
セクション見出し28px / 600
小見出し20px / 600
本文16px / 400
注釈13px / 400

毎回別のサイズを使うと、CSSが増え、見た目もばらつきます。

文字の役割ごとにルールを作ります。

コンポーネント化

コンポーネントとは、再利用できるパーツのことです。

Webデザインでは、同じようなパーツが何度も出てきます。

たとえば、次のようなものです。

  • ボタン
  • カード
  • セクション見出し
  • タグ
  • フォーム入力欄
  • CTA
  • 記事一覧

同じ役割のパーツは、同じルールで作ると実装しやすくなります。

逆に、同じボタンなのにページごとに色、余白、角丸、文字サイズが違うと、CSSが複雑になります。

状態違い

実装では、通常状態だけでなく状態違いも必要です。

デザイン段階で状態違いを考えておくと、実装時に迷いにくくなります。

たとえば、次のような状態です。

  • ボタンのホバー
  • リンクのフォーカス
  • 入力欄のエラー
  • 入力欄のフォーカス
  • 無効状態
  • メニューの開閉状態
  • 現在地のナビ表示

状態違いがないと、実装者がその場で判断することになります。

簡単でもよいので、状態のルールを用意します。

画像サイズと比率

画像は、実装時に扱いやすいサイズや比率を決めます。

特に、一覧ページでは画像比率をそろえると実装しやすくなります。

確認したい項目は次の通りです。

  • カード画像の比率
  • メイン画像の比率
  • スマホ時のトリミング
  • アイコンのサイズ
  • ロゴの表示サイズ
  • 画像が増えた時のルール

画像の比率がばらばらだと、一覧の高さが崩れやすくなります。

SPデザイン

PCデザインだけでは、スマホ時の判断が足りないことがあります。

最低限、スマホでは次のことを考えます。

  • 横並びをどう縦並びにするか
  • 順番を変えるか
  • 余白をどのくらいにするか
  • ボタン幅をどうするか
  • メニューをどう表示するか
  • フォームをどう並べるか
  • 画像比率を変えるか

実装者が迷いやすい場所は、デザイン段階で決めておくとスムーズです。

テキスト量の変化

Webサイトでは、あとからテキスト量が変わることがあります。

特に、WordPressやCMSで更新するページでは、タイトルや本文が増えることがあります。

確認したい項目は次の通りです。

  • カードタイトルが2行になっても崩れないか
  • ボタン文言が少し長くなっても入るか
  • お知らせタイトルが長い場合どうするか
  • 画像がない記事がある場合どうするか
  • タグが増えた時に折り返せるか

固定の見た目だけでなく、内容が変わった時も考えます。

よくある失敗

実装しづらいデザインでよくある失敗は、次の通りです。

  • 余白が場所ごとに細かくばらばら
  • 同じボタンなのに見た目が毎回違う
  • ホバーやエラー状態がない
  • スマホ時の配置が決まっていない
  • 画像比率が統一されていない
  • テキストが増えた時の想定がない
  • コンテンツ幅のルールがない

デザイン段階でルールを整理しておくと、実装後の手戻りを減らせます。

この章のまとめ

  • コーディングしやすいデザインは、ルールが整理されていて変化に強い
  • 余白、文字、ボタン、カード、画像比率に一貫性を持たせる
  • ホバー、フォーカス、エラーなど状態違いも考える
  • PCだけでなくスマホ時の配置や順番も決める
  • 次の章では、完成したデザインをチェックして改善する方法を学ぶ