この章では、Webサイトを公開するために必要なものを整理します。
公開作業では、HTMLやCSSのファイルだけでなく、ドメイン、サーバー、DNS、SSL、管理アカウントなど、複数の要素が関係します。
必要なものの全体像
Webサイト公開に必要なものを大きく分けると、次のようになります。
| 要素 | 役割 |
|---|---|
| ドメイン | サイトの住所 |
| サーバー / ホスティング | サイトのファイルを置く場所 |
| DNS | ドメインをサーバーやメールに向ける設定 |
| SSL証明書 | HTTPSで安全に表示するための証明書 |
| Webサイトのファイル | HTML、CSS、JavaScript、画像など |
| メール | 独自ドメインのメールを使う場合に必要 |
| 管理アカウント | 契約や設定を管理するためのログイン情報 |
どれか1つでも不足していると、公開作業が進まなかったり、公開後に問題が起きたりします。
ドメイン
ドメインは、Webサイトの住所です。
example.com
example.jp
example.co.jpユーザーは、ドメインを使ってWebサイトへアクセスします。
ドメインは取得して終わりではなく、毎年更新し、管理情報を保つ必要があります。
更新を忘れると、Webサイトやメールが使えなくなることがあります。
サーバー・ホスティング
サーバーやホスティングは、Webサイトのファイルを置く場所です。
静的なHTMLサイト、Astroのような静的サイト、WordPressサイトなど、サイトの種類によって向いているサーバーは変わります。
Web制作では、次のような選択肢を見かけます。
- レンタルサーバー
- 静的サイトホスティング
- WordPress向けサーバー
- VPSやクラウド
初心者や一般的なWeb制作案件では、いきなりVPSやクラウドを選ぶ必要はないことが多いです。
管理しやすく、サポートがあり、SSLやバックアップを扱いやすいサービスを選ぶことが大切です。
DNS
DNSは、ドメインをWebサーバーやメールサーバーへ向けるための設定です。
たとえば、Webサイトは新しいサーバーへ向けたいけれど、メールは既存サービスを使い続けたい、ということがあります。
この場合、DNS設定を間違えるとメールが止まる可能性があります。
SSL証明書
SSL証明書は、WebサイトをHTTPSで表示するために必要です。
現在のWebサイトでは、HTTPS表示が基本です。
SSL証明書が正しく設定されていないと、ブラウザで警告が出たり、フォーム送信に不安を与えたりします。
多くのレンタルサーバーやホスティングサービスでは、無料SSLを設定できます。
ただし、発行や反映に少し時間がかかることがあります。
Webサイトのファイル
Webサイトのファイルには、HTML、CSS、JavaScript、画像、PDF、フォントなどがあります。
静的サイトでは、これらを公開ディレクトリへアップロードします。
Astroなどのサイトでは、開発中のファイルではなく、ビルド後のファイルを公開します。
dist/
index.html
about/
index.html
_astro/
main.cssどのファイルを公開するのかを間違えると、ページが表示されなかったり、CSSが効かなかったりします。
メール
独自ドメインのメールを使う場合は、メール設定も確認します。
info@example.com
contact@example.comWebサイトの公開とメールの運用は、同じドメインを使っていても別の設定で動いていることがあります。
特にサーバー移転やDNS切り替えでは、メールを止めないように注意が必要です。
管理アカウント
公開作業では、さまざまな管理画面にログインすることがあります。
- ドメイン管理サービス
- レンタルサーバー
- DNS管理サービス
- WordPress管理画面
- フォームサービス
- Google Search Console
- アクセス解析ツール
どのアカウントを誰が管理しているかが不明だと、公開作業やトラブル対応が止まります。
案件開始時に、必要なアカウントと権限を整理しておきます。
新規公開とリニューアル公開
新規公開とリニューアル公開では、注意点が違います。
新規公開では、ドメイン取得やサーバー契約から始まることがあります。
リニューアル公開では、既存サイト、既存メール、既存ドメイン、既存サーバーがあるため、影響範囲の確認が重要です。
| 種類 | 注意点 |
|---|---|
| 新規公開 | 必要な契約をそろえる |
| リニューアル公開 | 既存サイトやメールを止めない |
特にリニューアルでは、古いサイトを消す前にバックアップや切り戻し方法を考えます。
クライアントに確認する情報
公開作業の前に、次の情報を確認します。
- ドメインは取得済みか
- ドメイン管理サービスはどこか
- サーバーは契約済みか
- メールは使っているか
- DNS設定を誰が管理しているか
- SSL設定はできるか
- 公開希望日時はいつか
- 既存サイトのバックアップはあるか
- 公開後の管理者は誰か
この章のまとめ
- Webサイト公開には、ドメイン、サーバー、DNS、SSL、ファイル、メール、管理アカウントが関係する
- ドメインは住所、サーバーはファイルを置く場所、DNSは向き先を決める設定
- メールを使っているドメインでは、DNS変更に注意する
- Astroなどでは、開発中のファイルではなくビルド後のファイルを公開する
- 新規公開とリニューアル公開では、確認すべきことが違う