11. サーバー移転・ドメイン移管

この章では、サーバー移転とドメイン移管の基本を学びます。

既存サイトのリニューアルでは、新しいサーバーへ移す、ドメイン管理会社を変える、DNSを切り替える、といった作業が発生することがあります。

サーバー移転とは

サーバー移転は、Webサイトを置くサーバーを変更することです。

たとえば、古いレンタルサーバーから新しいレンタルサーバーへ移すケースがあります。

サーバー移転では、次のようなものが関係します。

  • HTML、CSS、JavaScript、画像
  • WordPress本体
  • テーマやプラグイン
  • データベース
  • メール
  • DNS設定
  • SSL証明書

静的サイトなら比較的シンプルですが、WordPressやメールが絡むと確認点が増えます。

ドメイン移管とは

ドメイン移管は、ドメインの管理会社を変更することです。

サーバー移転とは別の作業です。

作業何を変えるか
サーバー移転Webサイトを置く場所
ドメイン移管ドメインの管理会社

ドメイン移管をしても、すぐにWebサイトの表示先が変わるわけではありません。

表示先はDNS設定によって決まります。

旧サーバーと新サーバー

サーバー移転では、旧サーバーと新サーバーを並行して確認する期間が必要です。

新サーバーにデータを移し、動作確認をしてからDNSを切り替えます。

旧サーバーをすぐに解約すると、切り戻しができなかったり、メールやデータを失ったりすることがあります。

ネームサーバー変更

ネームサーバーを変更すると、DNS管理先が変わります。

新しいサーバー会社にネームサーバーを向けるケースもありますが、メール設定まで移る可能性があるため注意が必要です。

Webだけ新サーバーへ向けたい場合は、ネームサーバー変更ではなく、AレコードやCNAMEを変更する方がよい場合もあります。

DNSレコード切り替え

サーバー移転では、AレコードやCNAMEを変更してWebサイトの向き先を切り替えます。

切り替え前に確認すること:

  • 新サーバーでサイトが表示できるか
  • SSL設定ができるか
  • メール設定を壊さないか
  • 旧サーバーのバックアップがあるか
  • DNSレコードの現在値を控えたか
  • 切り戻し方法があるか

DNSレコードを変更する前に、現在の設定をメモしておくと安心です。

メールを止めないための確認

サーバー移転で特に注意したいのがメールです。

Webサイトだけを移すつもりでも、ネームサーバー変更やDNSレコードの削除でメールが止まることがあります。

確認すること:

  • 独自ドメインメールを使っているか
  • MXレコードは何を向いているか
  • SPF、DKIM、DMARCのTXTレコードがあるか
  • メールアカウントの移行が必要か
  • メールデータの移行が必要か

メールは業務に直結するため、Webサイトより慎重に扱います。

WordPress移行の入口

WordPressサイトの移行では、ファイルだけでなくデータベースも必要です。

移行対象:

  • WordPress本体
  • テーマ
  • プラグイン
  • アップロード画像
  • データベース
  • wp-config.php
  • メールやフォーム設定

プラグインを使って移行する方法もありますが、サイト規模やサーバー環境によって注意点が変わります。

詳しいWordPress移行はWordPress講座で扱う前提にし、この講座では「データベースも必要」という点を押さえます。

切り替え前の動作確認

DNSを切り替える前に、新サーバー側でできるだけ動作確認します。

確認すること:

  • トップページが表示されるか
  • 下層ページが表示されるか
  • CSSやJavaScriptが読み込まれるか
  • 画像が表示されるか
  • フォームが動くか
  • WordPress管理画面に入れるか
  • SSL設定ができるか

本番ドメインでしか確認できない項目もありますが、切り替え前にできる確認は済ませておきます。

DNS反映待ち

DNSを切り替えた後は、反映に時間差が出ることがあります。

人によって新サーバーが見えたり、旧サーバーが見えたりすることがあります。

この期間に備えて、旧サーバーをすぐに停止しないようにします。

また、公開当日はクライアントに「環境によって反映に時間差が出る可能性がある」と伝えておくと混乱を減らせます。

ドメイン移管時の注意

ドメイン移管では、次の点に注意します。

  • 移管ロックが解除されているか
  • 認証コードが取得できるか
  • 登録者メールアドレスが受信できるか
  • 更新期限が近すぎないか
  • 移管中にDNS設定が変わらないか
  • 移管後の管理者は誰か

ドメイン移管は、Webサイト公開とは別の手続きです。

急ぎの公開作業と同時に行うとリスクが上がるため、余裕を持って進めます。

この章のまとめ

  • サーバー移転はWebサイトを置く場所を変える作業
  • ドメイン移管はドメイン管理会社を変える作業
  • ネームサーバー変更は、Webだけでなくメールにも影響する可能性がある
  • WordPress移行では、ファイルだけでなくデータベースも必要
  • DNS切り替え後は反映に時間差が出る
  • 旧サーバーはすぐ解約せず、切り戻しや確認期間を残す