この章では、公開後の運用・保守・トラブル対応を学びます。
Webサイトは公開して終わりではありません。ドメインやサーバーの更新、SSL証明書、バックアップ、管理アカウント、メール、障害対応など、公開後にも管理が必要です。
ドメイン更新
ドメインには契約期限があります。
更新を忘れると、Webサイトやメールが使えなくなる可能性があります。
確認すること:
- 更新期限はいつか
- 自動更新は有効か
- 支払い方法は有効か
- 更新通知は誰に届くか
- 管理画面に入れる人は誰か
ドメイン更新は、Webサイト運用の中でも特に重要です。
サーバー更新
サーバーにも契約更新があります。
サーバー契約が切れると、Webサイトが表示されなくなったり、メールが使えなくなったりする可能性があります。
確認すること:
- 契約期限
- 支払い方法
- 契約プラン
- 容量や転送量
- 更新通知の宛先
- 管理者アカウント
ドメインとサーバーは別契約になっていることが多いため、それぞれ確認します。
SSL証明書の更新
SSL証明書にも有効期限があります。
無料SSLは自動更新されることが多いですが、更新に失敗することもあります。
SSL証明書が切れると、ブラウザで警告が出て、ユーザーがサイトへアクセスしにくくなります。
保守では、HTTPSで正常に表示されるかを定期的に確認します。
バックアップ
バックアップは、トラブル時に戻せるようにするためのものです。
静的サイトの場合は、制作ファイルやビルド後ファイルを管理しておきます。
WordPressの場合は、ファイルとデータベースの両方が必要です。
確認すること:
- 何をバックアップするか
- どこに保存するか
- どの頻度で取るか
- 復元方法を確認しているか
- 自動バックアップがあるか
管理アカウントと権限
ドメイン、サーバー、CMS、解析ツールなどには管理アカウントがあります。
公開後に誰が管理するのかを決めておきます。
確認すること:
- 管理者は誰か
- 制作者アカウントは残すのか
- クライアントに権限を渡したか
- 不要なアカウントは削除したか
- 二要素認証を使うか
- パスワード管理方法はどうするか
権限が曖昧だと、退職や担当変更の時に管理できなくなることがあります。
パスワード管理
サーバーやドメインのログイン情報は慎重に扱います。
避けたいこと:
- 複数人で同じパスワードを使い回す
- チャットに平文で貼る
- 制作者個人だけが知っている
- 退職者のアカウントが残っている
- 弱いパスワードを使う
可能であれば、パスワード管理ツールや権限分離を使います。
担当者変更時の引き継ぎ
Webサイトは長く運用されるため、担当者が変わることがあります。
引き継ぎで必要な情報:
- ドメイン管理サービス
- サーバー管理サービス
- DNS管理場所
- メールサービス
- CMS管理画面
- 更新期限
- バックアップ場所
- 緊急連絡先
- 保守範囲
引き継ぎ資料がないと、トラブル時に誰も対応できない状態になります。
サイトが表示されない時
サイトが表示されない時は、順番に確認します。
- 自分だけで起きているか確認する
- URLが正しいか確認する
- ドメインの更新期限を見る
- サーバー契約が有効か確認する
- DNS設定を確認する
- SSLエラーが出ていないか確認する
- サーバー障害情報を見る
- 直前に変更した作業を確認する
Webの仕組み講座で学んだDevTools確認も合わせて使います。
メールが届かない時
メールが届かない時は、Webサイトとは別に確認します。
確認すること:
- MXレコードが正しいか
- SPF、DKIM、DMARCが設定されているか
- メールボックス容量がいっぱいでないか
- 迷惑メールに入っていないか
- メールサービスの障害がないか
- フォームの通知先が正しいか
- サーバー移転やDNS変更を最近行ったか
メールの問題は、Webサイトの表示とは別の原因で起きることがあります。
サーバー容量や転送量
サーバーには容量や転送量の制限があることがあります。
画像や動画を大量に置いたり、アクセスが急増したりすると、制限に近づく場合があります。
確認すること:
- ディスク容量
- メールボックス容量
- 転送量
- バックアップ容量
- ログファイルの増加
特に画像やPDFを多く扱うサイトでは、容量を意識します。
障害情報の確認
サイトが突然見えなくなった場合、自分たちの設定ではなく、サーバー会社や外部サービスの障害の可能性もあります。
確認すること:
- サーバー会社の障害情報
- ホスティングサービスのステータスページ
- メールサービスの障害情報
- CDNや外部フォームサービスの障害情報
障害が発生している場合は、状況を確認し、クライアントへ説明できるようにします。
保守契約で見ること
保守契約を結ぶ場合、何を見るのかを明確にします。
例:
- ドメイン更新確認
- サーバー更新確認
- SSL期限確認
- WordPress更新
- バックアップ確認
- フォーム送信確認
- 軽微な修正
- 障害時の一次確認
この章のまとめ
- Webサイトは公開して終わりではなく、更新期限、SSL、バックアップ、権限管理が必要
- ドメインとサーバーは別契約として管理する
- バックアップは、復元できることまで確認する
- 管理アカウントやパスワードは、担当者変更を見越して整理する
- 表示トラブルとメールトラブルは、原因を分けて確認する
- 保守契約では、対応範囲を明確にする