12. 運用・保守・トラブル対応

この章では、公開後の運用・保守・トラブル対応を学びます。

Webサイトは公開して終わりではありません。ドメインやサーバーの更新、SSL証明書、バックアップ、管理アカウント、メール、障害対応など、公開後にも管理が必要です。

ドメイン更新

ドメインには契約期限があります。

更新を忘れると、Webサイトやメールが使えなくなる可能性があります。

確認すること:

  • 更新期限はいつか
  • 自動更新は有効か
  • 支払い方法は有効か
  • 更新通知は誰に届くか
  • 管理画面に入れる人は誰か

ドメイン更新は、Webサイト運用の中でも特に重要です。

サーバー更新

サーバーにも契約更新があります。

サーバー契約が切れると、Webサイトが表示されなくなったり、メールが使えなくなったりする可能性があります。

確認すること:

  • 契約期限
  • 支払い方法
  • 契約プラン
  • 容量や転送量
  • 更新通知の宛先
  • 管理者アカウント

ドメインとサーバーは別契約になっていることが多いため、それぞれ確認します。

SSL証明書の更新

SSL証明書にも有効期限があります。

無料SSLは自動更新されることが多いですが、更新に失敗することもあります。

SSL証明書が切れると、ブラウザで警告が出て、ユーザーがサイトへアクセスしにくくなります。

保守では、HTTPSで正常に表示されるかを定期的に確認します。

バックアップ

バックアップは、トラブル時に戻せるようにするためのものです。

静的サイトの場合は、制作ファイルやビルド後ファイルを管理しておきます。

WordPressの場合は、ファイルとデータベースの両方が必要です。

確認すること:

  • 何をバックアップするか
  • どこに保存するか
  • どの頻度で取るか
  • 復元方法を確認しているか
  • 自動バックアップがあるか

管理アカウントと権限

ドメイン、サーバー、CMS、解析ツールなどには管理アカウントがあります。

公開後に誰が管理するのかを決めておきます。

確認すること:

  • 管理者は誰か
  • 制作者アカウントは残すのか
  • クライアントに権限を渡したか
  • 不要なアカウントは削除したか
  • 二要素認証を使うか
  • パスワード管理方法はどうするか

権限が曖昧だと、退職や担当変更の時に管理できなくなることがあります。

パスワード管理

サーバーやドメインのログイン情報は慎重に扱います。

避けたいこと:

  • 複数人で同じパスワードを使い回す
  • チャットに平文で貼る
  • 制作者個人だけが知っている
  • 退職者のアカウントが残っている
  • 弱いパスワードを使う

可能であれば、パスワード管理ツールや権限分離を使います。

担当者変更時の引き継ぎ

Webサイトは長く運用されるため、担当者が変わることがあります。

引き継ぎで必要な情報:

  • ドメイン管理サービス
  • サーバー管理サービス
  • DNS管理場所
  • メールサービス
  • CMS管理画面
  • 更新期限
  • バックアップ場所
  • 緊急連絡先
  • 保守範囲

引き継ぎ資料がないと、トラブル時に誰も対応できない状態になります。

サイトが表示されない時

サイトが表示されない時は、順番に確認します。

  1. 自分だけで起きているか確認する
  2. URLが正しいか確認する
  3. ドメインの更新期限を見る
  4. サーバー契約が有効か確認する
  5. DNS設定を確認する
  6. SSLエラーが出ていないか確認する
  7. サーバー障害情報を見る
  8. 直前に変更した作業を確認する

Webの仕組み講座で学んだDevTools確認も合わせて使います。

メールが届かない時

メールが届かない時は、Webサイトとは別に確認します。

確認すること:

  • MXレコードが正しいか
  • SPF、DKIM、DMARCが設定されているか
  • メールボックス容量がいっぱいでないか
  • 迷惑メールに入っていないか
  • メールサービスの障害がないか
  • フォームの通知先が正しいか
  • サーバー移転やDNS変更を最近行ったか

メールの問題は、Webサイトの表示とは別の原因で起きることがあります。

サーバー容量や転送量

サーバーには容量や転送量の制限があることがあります。

画像や動画を大量に置いたり、アクセスが急増したりすると、制限に近づく場合があります。

確認すること:

  • ディスク容量
  • メールボックス容量
  • 転送量
  • バックアップ容量
  • ログファイルの増加

特に画像やPDFを多く扱うサイトでは、容量を意識します。

障害情報の確認

サイトが突然見えなくなった場合、自分たちの設定ではなく、サーバー会社や外部サービスの障害の可能性もあります。

確認すること:

  • サーバー会社の障害情報
  • ホスティングサービスのステータスページ
  • メールサービスの障害情報
  • CDNや外部フォームサービスの障害情報

障害が発生している場合は、状況を確認し、クライアントへ説明できるようにします。

保守契約で見ること

保守契約を結ぶ場合、何を見るのかを明確にします。

例:

  • ドメイン更新確認
  • サーバー更新確認
  • SSL期限確認
  • WordPress更新
  • バックアップ確認
  • フォーム送信確認
  • 軽微な修正
  • 障害時の一次確認

この章のまとめ

  • Webサイトは公開して終わりではなく、更新期限、SSL、バックアップ、権限管理が必要
  • ドメインとサーバーは別契約として管理する
  • バックアップは、復元できることまで確認する
  • 管理アカウントやパスワードは、担当者変更を見越して整理する
  • 表示トラブルとメールトラブルは、原因を分けて確認する
  • 保守契約では、対応範囲を明確にする