08. サイト種類別の公開パターン

この章では、サイトの種類ごとの公開パターンを学びます。

Webサイトは種類によって、必要なサーバー、公開方法、確認点が変わります。すべてを同じ方法で公開できるわけではありません。

静的HTMLサイト

静的HTMLサイトは、HTML、CSS、JavaScript、画像などのファイルをそのまま配信するサイトです。

向いているサイト:

  • 小規模なコーポレートサイト
  • LP
  • ポートフォリオサイト
  • シンプルな採用サイト

公開では、必要なファイルを公開ディレクトリへアップロードします。

確認すること:

  • index.html が正しい場所にあるか
  • CSSやJavaScriptが読み込まれているか
  • 画像やPDFが404になっていないか
  • フォームがある場合は送信先があるか

Astroなどの静的サイト

Astroなどの静的サイトジェネレーターでは、MarkdownやコンポーネントからHTMLを生成します。

公開時は、ビルド後に生成されたファイルをホスティングへ置きます。

ビルド後ファイルの例
dist/
  index.html
  about/
    index.html
  _astro/
    style.css

静的サイトホスティングと相性がよいですが、ビルドが必要な点に注意します。

確認すること:

  • ビルドが成功しているか
  • 生成されたページがすべてあるか
  • 画像やアセットのパスが正しいか
  • 環境ごとのURL設定が必要か

WordPressサイト

WordPressサイトは、PHPとデータベースを使う動的サイトです。

静的HTMLのようにファイルを置くだけでは完結しません。

必要になるもの:

  • WordPressが動くサーバー
  • PHP
  • データベース
  • WordPress本体
  • テーマ
  • プラグイン
  • 管理画面

WordPressの使い方やテーマ制作はWordPress講座で扱います。

この講座では、公開やサーバー選びに関係する範囲に留めます。

フォーム付きサイト

お問い合わせフォームがあるサイトでは、送信処理が必要です。

静的HTMLだけでは、フォームの見た目は作れても、メール送信やデータ保存はできません。

よくある方法:

  • サーバー側のフォームプログラムを使う
  • WordPressのフォームプラグインを使う
  • 外部フォームサービスを使う
  • サーバーレス機能やAPIを使う

フォーム付きサイトでは、送信先、通知先、迷惑メール対策、個人情報の扱いを確認します。

外部フォームサービス

外部フォームサービスを使うと、静的サイトでもお問い合わせフォームを扱いやすくなります。

ただし、次の点を確認します。

  • 無料プランと有料プランの違い
  • 送信件数の上限
  • 通知メールの送信元
  • 個人情報の保存先
  • スパム対策
  • 確認画面や完了画面の扱い

外部サービスを使う場合は、クライアントにサービス利用の前提を説明します。

CMSを使うサイト

CMSを使うと、管理画面からコンテンツを更新できます。

WordPress以外にも、ヘッドレスCMSや独自CMSがあります。

CMSを使う場合は、次の点を確認します。

  • どこにデータが保存されるか
  • 管理画面の権限
  • APIキーや環境変数が必要か
  • 本番環境と開発環境の違い
  • バックアップ方法

CMSは便利ですが、公開や運用の確認項目が増えます。

環境変数やAPIキーが必要なサイト

外部サービスやAPIを使うサイトでは、環境変数やAPIキーが必要なことがあります。

静的サイトでも、ビルド時に環境変数を使うことがあります。

確認すること:

  • 本番用のAPIキーがあるか
  • ブラウザに見えてよいキーか
  • ホスティング側に環境変数を設定したか
  • 開発用と本番用を分けているか
  • 課金や利用制限があるか

本番URLでの動作確認

公開前にローカルで動いていても、本番URLでは動かないことがあります。

理由としては、次のようなものがあります。

  • パス指定が本番環境と合っていない
  • HTTPSでないと動かない機能がある
  • API側で本番ドメインが許可されていない
  • フォーム送信元のドメイン制限がある
  • 環境変数が設定されていない
  • CORS制限がある

公開後は、必ず本番URLで確認します。

サイト種類ごとの確認

サイト種類ごとに、特に確認するポイントを整理します。

種類確認ポイント
静的HTMLファイル漏れ、パス、404
Astroなどビルド、生成ページ、アセット
WordPressPHP、DB、テーマ、プラグイン
フォーム付き送信、通知、スパム対策
CMS連携API、環境変数、権限

サイトの種類が変わると、公開時に見るべき場所も変わります。

この章のまとめ

  • 静的HTMLサイトは、ファイルを公開ディレクトリへ置く
  • Astroなどは、ビルド後ファイルを公開する
  • WordPressは、ファイルだけでなくデータベースも関係する
  • フォーム付きサイトでは、送信処理と個人情報の扱いを確認する
  • CMSやAPIを使うサイトでは、環境変数や本番ドメインの許可設定が必要なことがある
  • 公開後は必ず本番URLで動作確認する