この章では、サイトの種類ごとの公開パターンを学びます。
Webサイトは種類によって、必要なサーバー、公開方法、確認点が変わります。すべてを同じ方法で公開できるわけではありません。
静的HTMLサイト
静的HTMLサイトは、HTML、CSS、JavaScript、画像などのファイルをそのまま配信するサイトです。
向いているサイト:
- 小規模なコーポレートサイト
- LP
- ポートフォリオサイト
- シンプルな採用サイト
公開では、必要なファイルを公開ディレクトリへアップロードします。
確認すること:
index.htmlが正しい場所にあるか- CSSやJavaScriptが読み込まれているか
- 画像やPDFが404になっていないか
- フォームがある場合は送信先があるか
Astroなどの静的サイト
Astroなどの静的サイトジェネレーターでは、MarkdownやコンポーネントからHTMLを生成します。
公開時は、ビルド後に生成されたファイルをホスティングへ置きます。
dist/
index.html
about/
index.html
_astro/
style.css静的サイトホスティングと相性がよいですが、ビルドが必要な点に注意します。
確認すること:
- ビルドが成功しているか
- 生成されたページがすべてあるか
- 画像やアセットのパスが正しいか
- 環境ごとのURL設定が必要か
WordPressサイト
WordPressサイトは、PHPとデータベースを使う動的サイトです。
静的HTMLのようにファイルを置くだけでは完結しません。
必要になるもの:
- WordPressが動くサーバー
- PHP
- データベース
- WordPress本体
- テーマ
- プラグイン
- 管理画面
WordPressの使い方やテーマ制作はWordPress講座で扱います。
この講座では、公開やサーバー選びに関係する範囲に留めます。
フォーム付きサイト
お問い合わせフォームがあるサイトでは、送信処理が必要です。
静的HTMLだけでは、フォームの見た目は作れても、メール送信やデータ保存はできません。
よくある方法:
- サーバー側のフォームプログラムを使う
- WordPressのフォームプラグインを使う
- 外部フォームサービスを使う
- サーバーレス機能やAPIを使う
フォーム付きサイトでは、送信先、通知先、迷惑メール対策、個人情報の扱いを確認します。
外部フォームサービス
外部フォームサービスを使うと、静的サイトでもお問い合わせフォームを扱いやすくなります。
ただし、次の点を確認します。
- 無料プランと有料プランの違い
- 送信件数の上限
- 通知メールの送信元
- 個人情報の保存先
- スパム対策
- 確認画面や完了画面の扱い
外部サービスを使う場合は、クライアントにサービス利用の前提を説明します。
CMSを使うサイト
CMSを使うと、管理画面からコンテンツを更新できます。
WordPress以外にも、ヘッドレスCMSや独自CMSがあります。
CMSを使う場合は、次の点を確認します。
- どこにデータが保存されるか
- 管理画面の権限
- APIキーや環境変数が必要か
- 本番環境と開発環境の違い
- バックアップ方法
CMSは便利ですが、公開や運用の確認項目が増えます。
環境変数やAPIキーが必要なサイト
外部サービスやAPIを使うサイトでは、環境変数やAPIキーが必要なことがあります。
静的サイトでも、ビルド時に環境変数を使うことがあります。
確認すること:
- 本番用のAPIキーがあるか
- ブラウザに見えてよいキーか
- ホスティング側に環境変数を設定したか
- 開発用と本番用を分けているか
- 課金や利用制限があるか
本番URLでの動作確認
公開前にローカルで動いていても、本番URLでは動かないことがあります。
理由としては、次のようなものがあります。
- パス指定が本番環境と合っていない
- HTTPSでないと動かない機能がある
- API側で本番ドメインが許可されていない
- フォーム送信元のドメイン制限がある
- 環境変数が設定されていない
- CORS制限がある
公開後は、必ず本番URLで確認します。
サイト種類ごとの確認
サイト種類ごとに、特に確認するポイントを整理します。
| 種類 | 確認ポイント |
|---|---|
| 静的HTML | ファイル漏れ、パス、404 |
| Astroなど | ビルド、生成ページ、アセット |
| WordPress | PHP、DB、テーマ、プラグイン |
| フォーム付き | 送信、通知、スパム対策 |
| CMS連携 | API、環境変数、権限 |
サイトの種類が変わると、公開時に見るべき場所も変わります。
この章のまとめ
- 静的HTMLサイトは、ファイルを公開ディレクトリへ置く
- Astroなどは、ビルド後ファイルを公開する
- WordPressは、ファイルだけでなくデータベースも関係する
- フォーム付きサイトでは、送信処理と個人情報の扱いを確認する
- CMSやAPIを使うサイトでは、環境変数や本番ドメインの許可設定が必要なことがある
- 公開後は必ず本番URLで動作確認する