04. サーバー・ホスティングの選び方

この章では、Web制作案件に合うサーバーやホスティングの選び方を学びます。

サーバー選びは、料金だけで決めるものではありません。サイトの種類、運用方法、メール利用、サポート、バックアップ、SSL設定のしやすさなども関係します。

サーバー・ホスティングとは

サーバーやホスティングは、Webサイトのファイルを置き、インターネット上に公開するための場所です。

Web制作では、次のような選択肢を見かけます。

  • レンタルサーバー
  • 静的サイトホスティング
  • WordPress向けサーバー
  • VPS
  • クラウドサービス

すべてを使いこなす必要はありません。

まずは、案件に合った選択肢を見極められることが大切です。

レンタルサーバー

レンタルサーバーは、Webサイトやメールを運用するためのサーバーを借りられるサービスです。

Web制作案件ではよく使われます。

向いているケース:

  • コーポレートサイト
  • 小規模な静的サイト
  • WordPressサイト
  • 独自ドメインメールも使いたい案件
  • クライアントが管理画面で操作したい案件

レンタルサーバーは管理画面が用意されていることが多く、SSL、メール、WordPress、バックアップなどを扱いやすいのが特徴です。

静的サイトホスティング

静的サイトホスティングは、HTML、CSS、JavaScript、画像などの静的ファイルを配信するためのサービスです。

Astroなどの静的サイトジェネレーターと相性がよいです。

向いているケース:

  • 静的なコーポレートサイト
  • LP
  • ポートフォリオサイト
  • ブログ機能や管理画面が不要なサイト
  • Git連携でデプロイしたいサイト

静的サイトホスティングは高速で扱いやすい反面、メール機能やサーバー管理画面がない場合があります。

メールを使う場合は、別のメールサービスやDNS設定も考えます。

WordPress向けサーバー

WordPressサイトでは、PHPやデータベースが必要です。

そのため、WordPressが動作するサーバーを選ぶ必要があります。

確認したいポイントは次の通りです。

  • WordPressが使えるか
  • PHPのバージョン
  • データベースが使えるか
  • 管理画面がわかりやすいか
  • 自動バックアップがあるか
  • SSL設定が簡単か
  • 表示速度やキャッシュ機能
  • サポート体制

WordPressのテーマ制作や詳しい運用はWordPress講座で扱います。

ここでは、サーバー選びに関係するポイントを押さえます。

VPSやクラウドを最初から選ばなくてよい理由

VPSやクラウドサービスは自由度が高い一方で、管理する範囲も広くなります。

サーバー構築、セキュリティ更新、ミドルウェア設定、バックアップ、監視などを自分たちで考える必要があります。

一般的なWeb制作案件では、最初からVPSやクラウドを選ばなくてもよいことが多いです。

サーバー選びの基準

サーバーを選ぶ時は、次の観点で見ます。

観点確認すること
サイト種類静的サイトかWordPressか
メール独自ドメインメールを使うか
SSL無料SSLを簡単に設定できるか
管理クライアントが管理しやすいか
速度表示速度やキャッシュ機能は十分か
バックアップ自動バックアップがあるか
サポート問題時に問い合わせできるか
料金月額・年額が予算に合うか

料金だけで選ぶと、後から管理やサポートで困ることがあります。

メール利用の有無

サーバー選びでは、独自ドメインメールを使うかどうかを必ず確認します。

Webサイトだけなら静的サイトホスティングで十分でも、メールも同じドメインで使いたい場合は、メールサービスやDNS設定が必要です。

確認すること:

  • info@example.com のようなメールを使うか
  • すでにメール運用中か
  • GmailやMicrosoft 365など外部メールを使っているか
  • サーバー移転時にメールをどうするか

メールを見落とすと、サイト公開時にメールが止まるリスクがあります。

既存サーバーがある場合

クライアントがすでにサーバーを契約している場合は、まず現状を確認します。

  • サーバー会社
  • 契約プラン
  • 管理画面のログイン権限
  • 現在公開中のサイト
  • メール利用の有無
  • WordPress利用の有無
  • バックアップの有無
  • PHPやデータベースのバージョン

既存サーバーをそのまま使うか、新しいサーバーへ移すかは、要件とリスクを見て判断します。

クライアントに説明する時

サーバー選びは、専門用語が多くなりがちです。

クライアントには、機能名だけでなく、判断理由を説明します。

例:

説明例
今回のサイトはWordPressを使わない静的サイトなので、静的サイトホスティングでも公開できます。

ただし、独自ドメインのメールも同時に使いたい場合は、メールサービスを別で用意する必要があります。

技術的にできることだけでなく、運用しやすいかも含めて提案します。

この章のまとめ

  • サーバー選びは、サイト種類、メール、SSL、管理、バックアップ、サポートを見て判断する
  • レンタルサーバーは、Webサイトとメールをまとめて扱いやすい
  • 静的サイトホスティングは、静的サイトやAstroサイトと相性がよい
  • WordPressにはPHPとデータベースが必要
  • VPSやクラウドは自由度が高いが、運用責任も大きい
  • 既存サーバーがある場合は、契約状況とメール利用を必ず確認する