この章では、Web制作案件に合うサーバーやホスティングの選び方を学びます。
サーバー選びは、料金だけで決めるものではありません。サイトの種類、運用方法、メール利用、サポート、バックアップ、SSL設定のしやすさなども関係します。
サーバー・ホスティングとは
サーバーやホスティングは、Webサイトのファイルを置き、インターネット上に公開するための場所です。
Web制作では、次のような選択肢を見かけます。
- レンタルサーバー
- 静的サイトホスティング
- WordPress向けサーバー
- VPS
- クラウドサービス
すべてを使いこなす必要はありません。
まずは、案件に合った選択肢を見極められることが大切です。
レンタルサーバー
レンタルサーバーは、Webサイトやメールを運用するためのサーバーを借りられるサービスです。
Web制作案件ではよく使われます。
向いているケース:
- コーポレートサイト
- 小規模な静的サイト
- WordPressサイト
- 独自ドメインメールも使いたい案件
- クライアントが管理画面で操作したい案件
レンタルサーバーは管理画面が用意されていることが多く、SSL、メール、WordPress、バックアップなどを扱いやすいのが特徴です。
静的サイトホスティング
静的サイトホスティングは、HTML、CSS、JavaScript、画像などの静的ファイルを配信するためのサービスです。
Astroなどの静的サイトジェネレーターと相性がよいです。
向いているケース:
- 静的なコーポレートサイト
- LP
- ポートフォリオサイト
- ブログ機能や管理画面が不要なサイト
- Git連携でデプロイしたいサイト
静的サイトホスティングは高速で扱いやすい反面、メール機能やサーバー管理画面がない場合があります。
メールを使う場合は、別のメールサービスやDNS設定も考えます。
WordPress向けサーバー
WordPressサイトでは、PHPやデータベースが必要です。
そのため、WordPressが動作するサーバーを選ぶ必要があります。
確認したいポイントは次の通りです。
- WordPressが使えるか
- PHPのバージョン
- データベースが使えるか
- 管理画面がわかりやすいか
- 自動バックアップがあるか
- SSL設定が簡単か
- 表示速度やキャッシュ機能
- サポート体制
WordPressのテーマ制作や詳しい運用はWordPress講座で扱います。
ここでは、サーバー選びに関係するポイントを押さえます。
VPSやクラウドを最初から選ばなくてよい理由
VPSやクラウドサービスは自由度が高い一方で、管理する範囲も広くなります。
サーバー構築、セキュリティ更新、ミドルウェア設定、バックアップ、監視などを自分たちで考える必要があります。
一般的なWeb制作案件では、最初からVPSやクラウドを選ばなくてもよいことが多いです。
サーバー選びの基準
サーバーを選ぶ時は、次の観点で見ます。
| 観点 | 確認すること |
|---|---|
| サイト種類 | 静的サイトかWordPressか |
| メール | 独自ドメインメールを使うか |
| SSL | 無料SSLを簡単に設定できるか |
| 管理 | クライアントが管理しやすいか |
| 速度 | 表示速度やキャッシュ機能は十分か |
| バックアップ | 自動バックアップがあるか |
| サポート | 問題時に問い合わせできるか |
| 料金 | 月額・年額が予算に合うか |
料金だけで選ぶと、後から管理やサポートで困ることがあります。
メール利用の有無
サーバー選びでは、独自ドメインメールを使うかどうかを必ず確認します。
Webサイトだけなら静的サイトホスティングで十分でも、メールも同じドメインで使いたい場合は、メールサービスやDNS設定が必要です。
確認すること:
info@example.comのようなメールを使うか- すでにメール運用中か
- GmailやMicrosoft 365など外部メールを使っているか
- サーバー移転時にメールをどうするか
メールを見落とすと、サイト公開時にメールが止まるリスクがあります。
既存サーバーがある場合
クライアントがすでにサーバーを契約している場合は、まず現状を確認します。
- サーバー会社
- 契約プラン
- 管理画面のログイン権限
- 現在公開中のサイト
- メール利用の有無
- WordPress利用の有無
- バックアップの有無
- PHPやデータベースのバージョン
既存サーバーをそのまま使うか、新しいサーバーへ移すかは、要件とリスクを見て判断します。
クライアントに説明する時
サーバー選びは、専門用語が多くなりがちです。
クライアントには、機能名だけでなく、判断理由を説明します。
例:
今回のサイトはWordPressを使わない静的サイトなので、静的サイトホスティングでも公開できます。
ただし、独自ドメインのメールも同時に使いたい場合は、メールサービスを別で用意する必要があります。技術的にできることだけでなく、運用しやすいかも含めて提案します。
この章のまとめ
- サーバー選びは、サイト種類、メール、SSL、管理、バックアップ、サポートを見て判断する
- レンタルサーバーは、Webサイトとメールをまとめて扱いやすい
- 静的サイトホスティングは、静的サイトやAstroサイトと相性がよい
- WordPressにはPHPとデータベースが必要
- VPSやクラウドは自由度が高いが、運用責任も大きい
- 既存サーバーがある場合は、契約状況とメール利用を必ず確認する