05. DNS設定の基本

この章では、DNS設定の基本を学びます。

DNSは、ドメインをWebサイトやメールの向き先へつなぐ設定です。Web制作では、DNSを変更する場面がありますが、設定を間違えるとWebサイトだけでなくメールにも影響します。

DNS設定でできること

DNS設定では、ドメインの向き先を管理します。

たとえば、次のようなことを設定します。

  • example.com をWebサーバーへ向ける
  • www.example.com を同じWebサイトへ向ける
  • mail.example.com をメールサーバーへ向ける
  • blog.example.com を別サービスへ向ける
  • メール認証用のTXTレコードを設定する

DNSは、Webサイトとメールの交通整理のような役割を持っています。

ネームサーバー

ネームサーバーは、ドメインのDNS情報を管理するサーバーです。

ドメイン管理サービスでネームサーバーを設定すると、そのドメインのDNS管理先が決まります。

ネームサーバーを変更すると、DNSレコード全体の管理先が変わることがあります。

DNSゾーン

DNSゾーンは、そのドメインに関するDNSレコードをまとめて管理する場所です。

管理画面では、Aレコード、CNAME、MX、TXTなどを一覧で編集することがあります。

Web制作では、DNSゾーンを見て、どの名前がどこに向いているかを確認します。

Aレコード

Aレコードは、ドメインをIPアドレスへ向ける設定です。

Aレコードのイメージ
example.com -> 203.0.113.10

レンタルサーバーやホスティングサービスから指定されたIPアドレスを設定する時に使います。

Webサイトを新しいサーバーへ向ける時、Aレコードを変更することがあります。

CNAMEレコード

CNAMEレコードは、ある名前を別の名前へ向ける設定です。

CNAMEのイメージ
www.example.com -> example.com
blog.example.com -> service.example-hosting.com

サブドメインを外部サービスに向ける時にも使われます。

ただし、CNAMEをどこに設定できるかはサービスやDNSの仕様によって制限があります。

MXレコード

MXレコードは、メールの配送先を指定する設定です。

独自ドメインメールを使う場合に重要です。

MXレコードのイメージ
example.com -> mail.example.com

Webサイトの向き先を変えるだけのつもりでも、MXレコードを消したり変更したりすると、メールが届かなくなる可能性があります。

DNS変更時に最も注意したい設定の1つです。

TXTレコード

TXTレコードは、テキスト情報をDNSに登録する設定です。

Web制作では、次のような用途で見かけます。

  • Google Search Consoleの所有権確認
  • SPF
  • DKIM
  • DMARC
  • 外部サービスのドメイン認証

メールの信頼性や外部サービス連携に関係することがあります。

不要そうに見えても、勝手に削除しないようにします。

TTL

TTLは、DNS情報をどれくらいの時間キャッシュするかを示す値です。

TTLが長いと、DNS変更後に古い情報が残る時間も長くなりやすいです。

サーバー移転などでDNSを切り替える前に、TTLを短くしておくことがあります。

ただし、管理画面やサービスによって変更できない場合もあります。

wwwあり・なし

www.example.comexample.com は、別の名前として扱われます。

両方で同じサイトを表示したい場合、DNS設定とリダイレクト設定を考えます。

よくある方針:

  • example.com を正式URLにする
  • www.example.com から example.com へリダイレクトする
  • 逆に www.example.com を正式URLにする

案件ごとに正式URLを決め、内部リンクやSearch Consoleの設定もそろえます。

サブドメイン

サブドメインは、ドメインの前に名前を付けたものです。

サブドメインの例
blog.example.com
shop.example.com
support.example.com

サブドメインは、別サービスや別サーバーに向けることがあります。

たとえば、メインサイトはレンタルサーバー、ブログは別サービス、サポートサイトは外部ツール、という構成もあります。

Webだけ切り替える時の注意

既存ドメインでメールを使っている場合、Webサイトだけ新しいサーバーへ切り替えることがあります。

この時、ネームサーバー全体を変えるのではなく、AレコードやCNAMEだけを変更する方が安全な場合があります。

確認したいこと:

  • 既存メールを使っているか
  • MXレコードは何を指しているか
  • SPF、DKIM、DMARCのTXTレコードがあるか
  • 新しいサーバーの指定レコードは何か
  • 切り替え後に戻す方法はあるか

この章のまとめ

  • DNSは、ドメインをWebサイトやメールの向き先へつなぐ設定
  • ネームサーバーを変えると、DNS管理先全体が変わることがある
  • AレコードはIPアドレス、CNAMEは別名、MXはメール、TXTは認証情報などに使う
  • DNS変更では、Webサイトだけでなくメールへの影響を確認する
  • www あり・なしやサブドメインの扱いも事前に決める