この章では、DNS設定の基本を学びます。
DNSは、ドメインをWebサイトやメールの向き先へつなぐ設定です。Web制作では、DNSを変更する場面がありますが、設定を間違えるとWebサイトだけでなくメールにも影響します。
DNS設定でできること
DNS設定では、ドメインの向き先を管理します。
たとえば、次のようなことを設定します。
example.comをWebサーバーへ向けるwww.example.comを同じWebサイトへ向けるmail.example.comをメールサーバーへ向けるblog.example.comを別サービスへ向ける- メール認証用のTXTレコードを設定する
DNSは、Webサイトとメールの交通整理のような役割を持っています。
ネームサーバー
ネームサーバーは、ドメインのDNS情報を管理するサーバーです。
ドメイン管理サービスでネームサーバーを設定すると、そのドメインのDNS管理先が決まります。
ネームサーバーを変更すると、DNSレコード全体の管理先が変わることがあります。
DNSゾーン
DNSゾーンは、そのドメインに関するDNSレコードをまとめて管理する場所です。
管理画面では、Aレコード、CNAME、MX、TXTなどを一覧で編集することがあります。
Web制作では、DNSゾーンを見て、どの名前がどこに向いているかを確認します。
Aレコード
Aレコードは、ドメインをIPアドレスへ向ける設定です。
example.com -> 203.0.113.10レンタルサーバーやホスティングサービスから指定されたIPアドレスを設定する時に使います。
Webサイトを新しいサーバーへ向ける時、Aレコードを変更することがあります。
CNAMEレコード
CNAMEレコードは、ある名前を別の名前へ向ける設定です。
www.example.com -> example.com
blog.example.com -> service.example-hosting.comサブドメインを外部サービスに向ける時にも使われます。
ただし、CNAMEをどこに設定できるかはサービスやDNSの仕様によって制限があります。
MXレコード
MXレコードは、メールの配送先を指定する設定です。
独自ドメインメールを使う場合に重要です。
example.com -> mail.example.comWebサイトの向き先を変えるだけのつもりでも、MXレコードを消したり変更したりすると、メールが届かなくなる可能性があります。
DNS変更時に最も注意したい設定の1つです。
TXTレコード
TXTレコードは、テキスト情報をDNSに登録する設定です。
Web制作では、次のような用途で見かけます。
- Google Search Consoleの所有権確認
- SPF
- DKIM
- DMARC
- 外部サービスのドメイン認証
メールの信頼性や外部サービス連携に関係することがあります。
不要そうに見えても、勝手に削除しないようにします。
TTL
TTLは、DNS情報をどれくらいの時間キャッシュするかを示す値です。
TTLが長いと、DNS変更後に古い情報が残る時間も長くなりやすいです。
サーバー移転などでDNSを切り替える前に、TTLを短くしておくことがあります。
ただし、管理画面やサービスによって変更できない場合もあります。
wwwあり・なし
www.example.com と example.com は、別の名前として扱われます。
両方で同じサイトを表示したい場合、DNS設定とリダイレクト設定を考えます。
よくある方針:
example.comを正式URLにするwww.example.comからexample.comへリダイレクトする- 逆に
www.example.comを正式URLにする
案件ごとに正式URLを決め、内部リンクやSearch Consoleの設定もそろえます。
サブドメイン
サブドメインは、ドメインの前に名前を付けたものです。
blog.example.com
shop.example.com
support.example.comサブドメインは、別サービスや別サーバーに向けることがあります。
たとえば、メインサイトはレンタルサーバー、ブログは別サービス、サポートサイトは外部ツール、という構成もあります。
Webだけ切り替える時の注意
既存ドメインでメールを使っている場合、Webサイトだけ新しいサーバーへ切り替えることがあります。
この時、ネームサーバー全体を変えるのではなく、AレコードやCNAMEだけを変更する方が安全な場合があります。
確認したいこと:
- 既存メールを使っているか
- MXレコードは何を指しているか
- SPF、DKIM、DMARCのTXTレコードがあるか
- 新しいサーバーの指定レコードは何か
- 切り替え後に戻す方法はあるか
この章のまとめ
- DNSは、ドメインをWebサイトやメールの向き先へつなぐ設定
- ネームサーバーを変えると、DNS管理先全体が変わることがある
- AレコードはIPアドレス、CNAMEは別名、MXはメール、TXTは認証情報などに使う
- DNS変更では、Webサイトだけでなくメールへの影響を確認する
wwwあり・なしやサブドメインの扱いも事前に決める