08. MCP入門

この章では、MCPの基本的な考え方を学びます。

MCPは、AIと外部ツールやデータをつなぐための仕組みです。

Web制作では、デザインツール、ファイル、ドキュメント、ブラウザ、データベースなどをAIから扱いやすくする考え方として理解しておくと役立ちます。

MCPとは

MCPは、AIが外部の情報やツールを扱うための共通的な接続の仕組みです。

AIは、会話だけでは手元のファイルや外部サービスの情報を直接扱えません。

そこで、外部ツールとAIの間をつなぐ仕組みが必要になります。

MCPを使うと、AIが次のような情報にアクセスしやすくなります。

  • ローカルファイル
  • デザインデータ
  • ドキュメント
  • ブラウザの状態
  • データベース
  • 外部サービスの情報

ただし、MCPは魔法の機能ではありません。

AIに何を見せるか、何を操作させるかを設計するための仕組みです。

MCPサーバーとMCPクライアント

MCPでは、ざっくり言うと、AIを使う側と、外部ツールを提供する側があります。

用語役割
MCPクライアントAIを使うアプリ側
MCPサーバーAIに外部機能や情報を渡す側

たとえば、AIエディタがMCPクライアントになり、ファイル操作やデザインツール連携を行うMCPサーバーにつながる、というイメージです。

初心者のうちは、細かい実装よりも「AIと外部ツールをつなぐ仕組み」と理解できれば十分です。

なぜ外部ツールとつなぐのか

AIに外部情報を渡せると、会話だけではできなかったことがしやすくなります。

たとえば、Web制作では次のような場面があります。

  • Figmaのデザインを見ながらHTML構造を相談する
  • 実際のファイルを読ませて修正方針を出す
  • ブラウザで表示を確認しながら不具合を探す
  • ドキュメントの内容をもとに教材を作る
  • 既存コードベースのルールに合わせて実装する

AIに文脈を渡せるほど、出力は具体的になります。

MCPは、その文脈を渡す手段の1つです。

Web制作で使えそうな場面

Web制作でMCPが役立つ場面は、今後さらに増えていくと考えられます。

代表的な場面は次の通りです。

  • Figmaデザインから実装方針を相談する
  • サイトのファイル構造をAIに理解させる
  • ローカルサイトをブラウザで確認させる
  • ドキュメントをもとにページを生成する
  • CMSやデータと連携してコンテンツを確認する

特に、デザインと実装をつなぐ場面では便利です。

ただし、AIがデザインを完全に理解してくれるわけではありません。余白、視線誘導、ブランドらしさ、操作感は人間が確認します。

Figma MCPの考え方

Figma MCPのような連携では、AIがFigma上のデザイン情報を参照しやすくなります。

これにより、次のような相談がしやすくなります。

  • このデザインの構造をHTMLにするとどうなるか
  • コンポーネント単位で実装するならどう分けるか
  • CSSで再現する時の注意点は何か
  • 余白や色のルールをどう整理するか

デザインからコードを完全自動生成するというより、実装の前提資料としてAIに読み取らせるイメージです。

MCP利用時の注意点

MCPは便利ですが、扱う情報が増えるため注意も必要です。

  • 機密情報を渡さない
  • クライアント情報の扱いに注意する
  • AIに操作させてよい範囲を限定する
  • 出力や変更内容を確認する
  • 外部サービスの利用規約を確認する
  • 必要以上の権限を与えない

AIが外部ツールを操作できるようになるほど、便利さとリスクは両方増えます。

初心者はどこまで理解すればよいか

初心者のうちは、MCPサーバーを自作するところまで理解する必要はありません。

まずは、次の3つがわかれば十分です。

  1. MCPはAIと外部ツールをつなぐ仕組み
  2. つなぐことで、AIに文脈を渡しやすくなる
  3. 扱う情報と権限には注意が必要

使う場面が出てきたら、具体的なツールごとに設定方法を確認すれば問題ありません。

この章のまとめ

  • MCPは、AIと外部ツールやデータをつなぐための仕組み
  • Web制作では、Figma、ファイル、ブラウザ、ドキュメント連携などに活用できる
  • AIに文脈を渡せると、より具体的な相談や作業がしやすくなる
  • 便利な反面、機密情報や権限管理に注意が必要
  • 初心者は、まず概念と使いどころを理解すればよい