この章では、MCPの基本的な考え方を学びます。
MCPは、AIと外部ツールやデータをつなぐための仕組みです。
Web制作では、デザインツール、ファイル、ドキュメント、ブラウザ、データベースなどをAIから扱いやすくする考え方として理解しておくと役立ちます。
MCPとは
MCPは、AIが外部の情報やツールを扱うための共通的な接続の仕組みです。
AIは、会話だけでは手元のファイルや外部サービスの情報を直接扱えません。
そこで、外部ツールとAIの間をつなぐ仕組みが必要になります。
MCPを使うと、AIが次のような情報にアクセスしやすくなります。
- ローカルファイル
- デザインデータ
- ドキュメント
- ブラウザの状態
- データベース
- 外部サービスの情報
ただし、MCPは魔法の機能ではありません。
AIに何を見せるか、何を操作させるかを設計するための仕組みです。
MCPサーバーとMCPクライアント
MCPでは、ざっくり言うと、AIを使う側と、外部ツールを提供する側があります。
| 用語 | 役割 |
|---|---|
| MCPクライアント | AIを使うアプリ側 |
| MCPサーバー | AIに外部機能や情報を渡す側 |
たとえば、AIエディタがMCPクライアントになり、ファイル操作やデザインツール連携を行うMCPサーバーにつながる、というイメージです。
初心者のうちは、細かい実装よりも「AIと外部ツールをつなぐ仕組み」と理解できれば十分です。
なぜ外部ツールとつなぐのか
AIに外部情報を渡せると、会話だけではできなかったことがしやすくなります。
たとえば、Web制作では次のような場面があります。
- Figmaのデザインを見ながらHTML構造を相談する
- 実際のファイルを読ませて修正方針を出す
- ブラウザで表示を確認しながら不具合を探す
- ドキュメントの内容をもとに教材を作る
- 既存コードベースのルールに合わせて実装する
AIに文脈を渡せるほど、出力は具体的になります。
MCPは、その文脈を渡す手段の1つです。
Web制作で使えそうな場面
Web制作でMCPが役立つ場面は、今後さらに増えていくと考えられます。
代表的な場面は次の通りです。
- Figmaデザインから実装方針を相談する
- サイトのファイル構造をAIに理解させる
- ローカルサイトをブラウザで確認させる
- ドキュメントをもとにページを生成する
- CMSやデータと連携してコンテンツを確認する
特に、デザインと実装をつなぐ場面では便利です。
ただし、AIがデザインを完全に理解してくれるわけではありません。余白、視線誘導、ブランドらしさ、操作感は人間が確認します。
Figma MCPの考え方
Figma MCPのような連携では、AIがFigma上のデザイン情報を参照しやすくなります。
これにより、次のような相談がしやすくなります。
- このデザインの構造をHTMLにするとどうなるか
- コンポーネント単位で実装するならどう分けるか
- CSSで再現する時の注意点は何か
- 余白や色のルールをどう整理するか
デザインからコードを完全自動生成するというより、実装の前提資料としてAIに読み取らせるイメージです。
MCP利用時の注意点
MCPは便利ですが、扱う情報が増えるため注意も必要です。
- 機密情報を渡さない
- クライアント情報の扱いに注意する
- AIに操作させてよい範囲を限定する
- 出力や変更内容を確認する
- 外部サービスの利用規約を確認する
- 必要以上の権限を与えない
AIが外部ツールを操作できるようになるほど、便利さとリスクは両方増えます。
初心者はどこまで理解すればよいか
初心者のうちは、MCPサーバーを自作するところまで理解する必要はありません。
まずは、次の3つがわかれば十分です。
- MCPはAIと外部ツールをつなぐ仕組み
- つなぐことで、AIに文脈を渡しやすくなる
- 扱う情報と権限には注意が必要
使う場面が出てきたら、具体的なツールごとに設定方法を確認すれば問題ありません。
この章のまとめ
- MCPは、AIと外部ツールやデータをつなぐための仕組み
- Web制作では、Figma、ファイル、ブラウザ、ドキュメント連携などに活用できる
- AIに文脈を渡せると、より具体的な相談や作業がしやすくなる
- 便利な反面、機密情報や権限管理に注意が必要
- 初心者は、まず概念と使いどころを理解すればよい