この章では、Web制作で使えるデザイン系AIツールの全体像を学びます。
デザインAIは、サイト構成、ワイヤーフレーム、UI案、画像、バナー、プロトタイプなどのたたき台作成に使えます。
ただし、AIが出したものをそのまま完成品として扱うのではなく、人間が目的やブランドに合わせて調整することが重要です。
デザインAIでできること
デザイン系AIツールでは、次のような作業を補助できます。
- サイト構成のたたき台作成
- ワイヤーフレーム作成
- UIデザイン案作成
- バナー作成
- サムネイル作成
- SNS画像作成
- 画像生成
- 画像編集
- プロトタイプ作成
- ノーコードサイト生成
- 既存デザインの改善案出し
AIが得意なのは、最初の案を速く出すことです。
何もない状態から考えるより、たたき台を見ながら「これは違う」「この方向は使えそう」と判断できる方が進めやすいことがあります。
Figma AIとFigma Make
FigmaのAI機能は、デザイン作業の中でアイデア出しやたたき台作成を助けます。
Web制作では、次のような使い方が考えられます。
- UIの初期案を作る
- 既存デザインの改善案を出す
- セクションのレイアウト案を比較する
- コンポーネントの方向性を整理する
- Figma MCPと組み合わせて実装相談に使う
Figma上で作業できるため、デザインデータとの距離が近いのが特徴です。
ただし、AIが出したUIは、そのままだと情報設計や余白の意図が弱いことがあります。
Canva AI
Canva AIは、バナー、SNS画像、サムネイル、提案資料のビジュアル作成などに使いやすいツールです。
Web制作では、次のような場面に向いています。
- ブログのアイキャッチ作成
- SNS告知画像の作成
- 提案資料の表紙や図版作成
- 簡単なバナー案の作成
- 非デザイナーが短時間でビジュアルを作る
Canvaは操作がわかりやすいため、デザイン専門ではない人でも使いやすいです。
一方で、本格的なWebデザインの細かい設計には向かない場合があります。
Adobe Firefly
Adobe Fireflyは、画像生成や画像編集に使えるAIツールです。
Web制作では、次のような場面で使えます。
- 背景素材を作る
- 写真の一部を修正する
- イメージビジュアルを作る
- ダミー素材を作る
- 提案段階の雰囲気づくりに使う
Adobe製品と組み合わせやすい点も特徴です。
ただし、画像生成AIを使う場合は、利用規約や商用利用の条件を確認する必要があります。
Relume
Relumeは、サイトマップやワイヤーフレーム作成に向いたツールです。
Web制作の上流工程で、次のように使えます。
- サイトマップのたたき台を作る
- ページ構成を整理する
- ワイヤーフレーム案を作る
- クライアント提案前の初期案を作る
- セクション構成を比較する
特に、サイト全体の構成を短時間で整理したい場面に向いています。
完成デザインを作るというより、構成や情報設計のたたき台として使うイメージです。
Framer AI
Framer AIは、AIでサイトのたたき台を作ったり、ノーコードでページを作ったりする場面で使われます。
Web制作では、次のような用途が考えられます。
- ポートフォリオサイトのたたき台作成
- LPの初期案作成
- プロトタイプ作成
- デザインの方向性を試す
- ノーコードで公開まで試す
短時間で形にできるのが強みです。
ただし、既存のコーディング案件や細かい実装要件がある場合は、そのまま使えるとは限りません。
Uizard
Uizardは、ワイヤーフレームやUIプロトタイプ作成に使えるツールです。
Web制作では、次のような使い方があります。
- 初期提案のワイヤーフレームを作る
- 複数のUI案を出す
- 手描きのラフをデジタル化する
- 画面構成を早く共有する
細かいデザインを詰める前に、画面の流れや構成を共有する場面で役立ちます。
デザインAIを使う時の注意点
デザインAIは便利ですが、注意点もあります。
- そのまま使うと凡庸になりやすい
- 余白や視線誘導は人間が確認する
- ブランドらしさは人間が判断する
- 情報の優先順位を整理する必要がある
- 著作権や利用規約を確認する
- クライアント情報を不用意に入れない
- 完成品ではなく、たたき台として扱う
AIが作ったデザインは、最初の案としては便利です。
しかし、誰に何を伝えるのか、どの情報を強く見せるのか、ブランドに合っているのかは、人間が判断します。
Web制作での使い分け
目的に応じて、使うツールを分けます。
| 目的 | 向いている使い方 |
|---|---|
| 構成を考える | サイトマップ、ワイヤーフレーム作成 |
| 見た目を試す | UI案、デザイン案の作成 |
| 素材を作る | 画像生成、画像編集 |
| 資料を作る | バナー、サムネイル、提案資料 |
| 実装につなげる | デザインルール整理、Figma連携 |
ツール名から入るより、何を効率化したいのかを先に決めると選びやすくなります。
この章のまとめ
- デザインAIは、構成、ワイヤー、UI案、画像、資料作成に使える
- 完成品ではなく、たたき台として使うのが基本
- 余白、視線誘導、情報設計、ブランドらしさは人間が確認する
- 著作権、利用規約、クライアント情報の扱いに注意する
- ツール名ではなく、目的に応じて使い分ける