09. デザイン系AIツールの全体像

この章では、Web制作で使えるデザイン系AIツールの全体像を学びます。

デザインAIは、サイト構成、ワイヤーフレーム、UI案、画像、バナー、プロトタイプなどのたたき台作成に使えます。

ただし、AIが出したものをそのまま完成品として扱うのではなく、人間が目的やブランドに合わせて調整することが重要です。

デザインAIでできること

デザイン系AIツールでは、次のような作業を補助できます。

  • サイト構成のたたき台作成
  • ワイヤーフレーム作成
  • UIデザイン案作成
  • バナー作成
  • サムネイル作成
  • SNS画像作成
  • 画像生成
  • 画像編集
  • プロトタイプ作成
  • ノーコードサイト生成
  • 既存デザインの改善案出し

AIが得意なのは、最初の案を速く出すことです。

何もない状態から考えるより、たたき台を見ながら「これは違う」「この方向は使えそう」と判断できる方が進めやすいことがあります。

Figma AIとFigma Make

FigmaのAI機能は、デザイン作業の中でアイデア出しやたたき台作成を助けます。

Web制作では、次のような使い方が考えられます。

  • UIの初期案を作る
  • 既存デザインの改善案を出す
  • セクションのレイアウト案を比較する
  • コンポーネントの方向性を整理する
  • Figma MCPと組み合わせて実装相談に使う

Figma上で作業できるため、デザインデータとの距離が近いのが特徴です。

ただし、AIが出したUIは、そのままだと情報設計や余白の意図が弱いことがあります。

Canva AI

Canva AIは、バナー、SNS画像、サムネイル、提案資料のビジュアル作成などに使いやすいツールです。

Web制作では、次のような場面に向いています。

  • ブログのアイキャッチ作成
  • SNS告知画像の作成
  • 提案資料の表紙や図版作成
  • 簡単なバナー案の作成
  • 非デザイナーが短時間でビジュアルを作る

Canvaは操作がわかりやすいため、デザイン専門ではない人でも使いやすいです。

一方で、本格的なWebデザインの細かい設計には向かない場合があります。

Adobe Firefly

Adobe Fireflyは、画像生成や画像編集に使えるAIツールです。

Web制作では、次のような場面で使えます。

  • 背景素材を作る
  • 写真の一部を修正する
  • イメージビジュアルを作る
  • ダミー素材を作る
  • 提案段階の雰囲気づくりに使う

Adobe製品と組み合わせやすい点も特徴です。

ただし、画像生成AIを使う場合は、利用規約や商用利用の条件を確認する必要があります。

Relume

Relumeは、サイトマップやワイヤーフレーム作成に向いたツールです。

Web制作の上流工程で、次のように使えます。

  • サイトマップのたたき台を作る
  • ページ構成を整理する
  • ワイヤーフレーム案を作る
  • クライアント提案前の初期案を作る
  • セクション構成を比較する

特に、サイト全体の構成を短時間で整理したい場面に向いています。

完成デザインを作るというより、構成や情報設計のたたき台として使うイメージです。

Framer AI

Framer AIは、AIでサイトのたたき台を作ったり、ノーコードでページを作ったりする場面で使われます。

Web制作では、次のような用途が考えられます。

  • ポートフォリオサイトのたたき台作成
  • LPの初期案作成
  • プロトタイプ作成
  • デザインの方向性を試す
  • ノーコードで公開まで試す

短時間で形にできるのが強みです。

ただし、既存のコーディング案件や細かい実装要件がある場合は、そのまま使えるとは限りません。

Uizard

Uizardは、ワイヤーフレームやUIプロトタイプ作成に使えるツールです。

Web制作では、次のような使い方があります。

  • 初期提案のワイヤーフレームを作る
  • 複数のUI案を出す
  • 手描きのラフをデジタル化する
  • 画面構成を早く共有する

細かいデザインを詰める前に、画面の流れや構成を共有する場面で役立ちます。

デザインAIを使う時の注意点

デザインAIは便利ですが、注意点もあります。

  • そのまま使うと凡庸になりやすい
  • 余白や視線誘導は人間が確認する
  • ブランドらしさは人間が判断する
  • 情報の優先順位を整理する必要がある
  • 著作権や利用規約を確認する
  • クライアント情報を不用意に入れない
  • 完成品ではなく、たたき台として扱う

AIが作ったデザインは、最初の案としては便利です。

しかし、誰に何を伝えるのか、どの情報を強く見せるのか、ブランドに合っているのかは、人間が判断します。

Web制作での使い分け

目的に応じて、使うツールを分けます。

目的向いている使い方
構成を考えるサイトマップ、ワイヤーフレーム作成
見た目を試すUI案、デザイン案の作成
素材を作る画像生成、画像編集
資料を作るバナー、サムネイル、提案資料
実装につなげるデザインルール整理、Figma連携

ツール名から入るより、何を効率化したいのかを先に決めると選びやすくなります。

この章のまとめ

  • デザインAIは、構成、ワイヤー、UI案、画像、資料作成に使える
  • 完成品ではなく、たたき台として使うのが基本
  • 余白、視線誘導、情報設計、ブランドらしさは人間が確認する
  • 著作権、利用規約、クライアント情報の扱いに注意する
  • ツール名ではなく、目的に応じて使い分ける