05. Web制作コーディングでのAI活用

この章では、Web制作のコーディング作業でAIをどう使うかを学びます。

AIは、HTML構造の相談、CSS設計、JavaScript実装、レスポンシブ対応、アクセシビリティ確認などに使えます。

ただし、生成されたコードをそのまま使うのではなく、既存の設計や目的に合うかを確認することが大切です。

HTML構造を相談する

HTMLを書く前に、セクションの構造をAIに相談できます。

HTML構造の相談
採用サイトの「社員インタビュー一覧」セクションを作ります。

次の情報を表示します。

- 社員写真
- 名前
- 職種
- 入社年
- 短いコメント
- 詳細ページへのリンク

HTMLの意味が自然になるように、section、ul、li、articleなどを使った構造案を出してください。

AIにHTMLを作らせるときは、見た目ではなく情報の意味を伝えます。

HTML構造が自然だと、CSSやJavaScriptも書きやすくなります。

CSS設計を相談する

CSSでは、レイアウト、余白、class名、レスポンシブ対応などを相談できます。

CSS設計の相談
カード一覧をCSS Gridで作りたいです。

条件:
- PCでは3列
- タブレットでは2列
- スマホでは1列
- gapは24px
- 画像は16:9
- class名は既存のcard-list、card、card-image、card-titleを使う

HTMLは変えずにCSSだけ出してください。

制約を入れると、AIが勝手にHTMLを変更するのを防ぎやすくなります。

JavaScript実装を補助してもらう

JavaScriptでは、UIの開閉、classの切り替え、フォームチェックなどの実装を相談できます。

JavaScript実装の相談
複数設置できるアコーディオンを作りたいです。

条件:
- HTMLはdetailsとsummaryを使う
- JavaScriptは基本的に不要にしたい
- 1つだけ開く仕様にする場合だけJavaScriptを使う
- アクセシビリティ上の注意点も教えてください

AIにコードを書かせる前に、そもそもJavaScriptが必要かを相談するのも大切です。

HTMLやCSSだけで自然に実現できるものは、無理にJavaScriptを使わない方が保守しやすくなります。

レスポンシブ対応を相談する

レスポンシブ対応では、崩れやすい箇所をAIに確認してもらえます。

レスポンシブ確認の依頼
次のHTMLとCSSを見て、スマホ幅で崩れそうな箇所を指摘してください。

観点:
- 横スクロールが出そうな指定
- 固定幅になっている要素
- 文字が詰まりそうな箇所
- 画像の比率が崩れそうな箇所

まず問題点だけ出してください。

AIにいきなり修正させるのではなく、最初は問題点を洗い出してもらうと確認しやすくなります。

アクセシビリティを確認してもらう

AIは、アクセシビリティの観点を確認する補助にも使えます。

アクセシビリティ確認の依頼
次のモーダル実装について、アクセシビリティ上の問題がないか確認してください。

観点:
- buttonとaの使い分け
- キーボード操作
- フォーカス管理
- aria属性
- dialogタグを使えるか

問題点と改善案を分けて出してください。

アクセシビリティは、チェック項目が多いため、AIに観点を出してもらうと抜け漏れを減らしやすくなります。

ただし、最終的にはブラウザやキーボード操作で自分でも確認します。

既存コードを読み解いてもらう

既存案件では、自分が書いたコードではないものを読むことがあります。

AIには、既存コードの役割を説明してもらえます。

既存コードの読解
次のJavaScriptが何をしているか、処理の流れに沿って説明してください。

そのあと、Web制作初心者が注意すべきポイントを3つ挙げてください。

コードを理解する前に修正すると、別の部分を壊すことがあります。

まずは「何をしているコードか」を整理してから修正します。

リファクタリングしてもらう

コードが長くなった時は、AIに整理案を出してもらえます。

リファクタリングの依頼
次のJavaScriptを、動作を変えずに読みやすく整理したいです。

条件:
- 関数名をわかりやすくする
- 早期returnを使ってよい
- 複数設置に対応する
- 変更点を説明する
- 既存のclass名は変えない

リファクタリングでは、見た目や動作を変えないことが重要です。

AIに依頼するときも、「動作を変えずに」と明記します。

実装方針を複数案出してもらう

AIは、複数の実装方針を比較する時にも役立ちます。

実装方針の比較
ハンバーガーメニューを作ります。

次の3案を比較してください。

- divとbuttonで自作する
- dialogタグを使う
- 既存ライブラリを使う

比較項目:
- 実装の簡単さ
- アクセシビリティ
- 保守性
- Web制作案件での使いやすさ

複数案を比較すると、なぜその実装を選ぶのか説明しやすくなります。

生成コードを確認する習慣

AIが出したコードは、必ず確認します。

確認するポイントは次の通りです。

  • 実際に動くか
  • 既存HTMLやCSSと合っているか
  • class名が勝手に変わっていないか
  • 不要に複雑になっていないか
  • スマホ幅で崩れないか
  • キーボード操作できるか
  • エラーが出ていないか

この章のまとめ

  • AIは、HTML構造、CSS設計、JavaScript実装、レビューに使える
  • 既存案件では、変更範囲と制約を明確に伝える
  • いきなり修正させず、問題点や方針を先に出してもらうと安全
  • 生成コードは必ず自分で動作確認する
  • AIを使っても、最終的な品質管理は人間が行う