この章では、サーバー、ホスティング、公開の基本を学びます。
Web制作では、HTMLやCSSを作るだけでなく、それを誰でも見られる場所に置く必要があります。
この「見られる場所」を理解しておくと、公開後のトラブルにも対応しやすくなります。
サーバーにファイルを置くとは
Webサイトを公開するには、HTML、CSS、JavaScript、画像などのファイルをサーバーに置きます。
ユーザーがブラウザでURLにアクセスすると、ブラウザはサーバーから必要なファイルを受け取り、ページを表示します。
ローカルPCにあるだけのファイルは、自分のPCでは見られても、他の人はアクセスできません。
サーバーに置くことで、インターネット上からアクセスできるようになります。
ホスティングとは
ホスティングは、Webサイトを公開するための場所や仕組みを提供するサービスです。
代表的なものには、次のようなものがあります。
- レンタルサーバー
- 静的サイトホスティング
- WordPress向けホスティング
- クラウドサービス
Web制作では、案件の内容によって使うホスティングが変わります。
静的なコーポレートサイトなら静的サイトホスティング、WordPressサイトならレンタルサーバーやWordPress向けサーバーが使われることがあります。
静的サイトと動的サイト
静的サイトは、あらかじめ作られたファイルをそのまま配信するサイトです。
index.html
about/index.html
assets/css/style.css
assets/js/main.js
images/main.jpg動的サイトは、アクセス時にサーバー側で処理を行い、HTMLやデータを生成して返すサイトです。
| 種類 | 例 |
|---|---|
| 静的サイト | LP、コーポレートサイト、ポートフォリオ |
| 動的サイト | WordPress、ECサイト、会員サイト |
Web制作では、静的サイトのファイル公開と、WordPressのような動的サイトの違いをざっくり理解しておくと役立ちます。
レンタルサーバー
レンタルサーバーは、Webサイトを置くためのサーバーを借りられるサービスです。
Web制作では、クライアントが契約しているレンタルサーバーへファイルをアップロードすることがあります。
レンタルサーバーでは、次のようなことを扱います。
- HTMLや画像ファイルのアップロード
- WordPressの設置
- SSL設定
- メールアドレス作成
- ドメインの設定
具体的な契約や設定手順は、ドメイン・サーバー講座で扱う領域です。
この講座では、サーバーにファイルを置くことでWebサイトが公開されると理解しておきます。
静的サイトホスティング
静的サイトホスティングは、HTML、CSS、JavaScript、画像などの静的ファイルを配信するためのサービスです。
Astroや静的サイトジェネレーターで作ったサイトを公開する時にも使われます。
静的サイトホスティングでは、ビルドされたファイルを公開用の場所に置きます。
dist/
index.html
about/
index.html
_astro/
main.css開発中のファイルそのものではなく、ビルド後のファイルを公開する点に注意します。
CDNのざっくりした役割
CDNは、画像、CSS、JavaScript、HTMLなどをユーザーに近い場所から配信する仕組みです。
CDNを使うと、表示速度の改善やアクセス集中への対応に役立つことがあります。
Web制作では、次のような場面でCDNという言葉を見かけます。
- 画像や静的ファイルの配信
- JavaScriptライブラリの読み込み
- 静的サイトホスティング
- キャッシュによる高速化
ただし、CDNはキャッシュも関係するため、修正がすぐに反映されない原因になることがあります。
publicディレクトリの考え方
Astroや多くのフレームワークでは、public ディレクトリに置いたファイルがそのまま公開されます。
たとえば、public/images/logo.png に置いた画像は、公開後に /images/logo.png として参照できることがあります。
<img src="/images/logo.png" alt="サイトロゴ">フレームワークによって扱いは違いますが、公開されるファイルの場所を理解しておくことが大切です。
ルーティング
ルーティングは、URLと表示するページを対応させる仕組みです。
静的なHTMLサイトでは、ファイルやディレクトリ構成がURLに対応します。
AstroやNext.jsのようなフレームワークでは、ファイル構成や設定をもとにURLが作られます。
/about/ -> aboutページ
/service/ -> serviceページ
/news/post-1/ -> news記事ページルーティングの仕組みを知っておくと、404が出た時に「ページが生成されていないのか」「URLが違うのか」を考えやすくなります。
404が出る理由
公開後に404が出る場合、次のような原因が考えられます。
- URLが間違っている
- ファイルがアップロードされていない
- ビルド対象に含まれていない
- ルーティング設定がない
- 大文字小文字が違う
- サーバー側の設定が合っていない
静的サイトでは、対象のHTMLファイルが生成されているか、公開先に存在するかを確認します。
公開前後で確認すること
Webサイトを公開する前後では、次の点を確認します。
- トップページが表示されるか
- 下層ページが表示されるか
- CSSが読み込まれているか
- JavaScriptが動いているか
- 画像が表示されているか
- 404になっているリンクがないか
- HTTPSで表示されているか
- スマホ幅で崩れていないか
- フォームがある場合、送信できるか
この章のまとめ
- Webサイトを公開するには、ファイルをインターネット上からアクセスできる場所に置く
- ホスティングはWebサイトを公開する場所や仕組みを提供するサービス
- 静的サイトと動的サイトでは、公開の仕組みが違う
- CDNは表示速度に役立つ一方、キャッシュによる反映遅れにも関係する
- 公開後は、表示、読み込み、リンク、HTTPS、スマホ表示を確認する