この章では、DNSとドメインの基本を学びます。
DNSは詳しく学ぶとかなり深い分野ですが、Web制作ではまず「ドメイン名からサーバーの場所を探す仕組み」と理解できれば大丈夫です。
ドメインとは
ドメインは、Webサイトの住所のようなものです。
example.com
example.jp
example.co.jp本来、インターネット上のサーバーはIPアドレスという数字の住所で識別されます。
しかし、数字の住所を人間が覚えるのは大変です。
そこで、example.com のような覚えやすい名前を使います。
この名前がドメインです。
IPアドレスとは
IPアドレスは、インターネット上で機器やサーバーを識別するための番号です。
たとえば、次のような形式があります。
192.0.2.1
203.0.113.10ユーザーは通常、IPアドレスを直接入力しません。
代わりにドメインを入力し、裏側でドメインがIPアドレスに変換されます。
DNSとは
DNSは、ドメイン名とIPアドレスを対応させる仕組みです。
ブラウザに example.com と入力すると、ブラウザは「このドメインはどのサーバーにつながるのか」を調べます。
この時に使われるのがDNSです。
ドメインからページ表示まで
ドメインを使ってページを表示する流れを簡単に整理します。
- ブラウザにURLを入力する
- ドメインをもとにDNSへ問い合わせる
- 対応するサーバーの場所を知る
- ブラウザがサーバーへリクエストを送る
- サーバーがHTMLなどを返す
DNSは、ページ表示の最初の入口に関係しています。
そのため、DNS設定が間違っていると、サーバーにファイルがあってもサイトへアクセスできません。
DNS反映に時間がかかる理由
ドメインやDNSの設定を変えたあと、すぐに反映されないことがあります。
これは、DNSの情報がいろいろな場所に一時保存されているためです。
古い情報を見ている環境では、しばらく前の設定につながることがあります。
Web制作の現場では、次のようなことが起きます。
- 自分のPCでは新しいサイトが見える
- クライアントのPCでは古いサイトが見える
- スマホ回線では見えるがWi-Fiでは見えない
- 設定直後だけアクセスできない
DNS設定の変更直後は、反映に時間差が出ることを知っておきます。
wwwありとwwwなし
ドメインには、www が付く場合と付かない場合があります。
https://www.example.com/
https://example.com/この2つは、見た目が似ていますが、技術的には別のホスト名です。
多くのサイトでは、どちらかを正式なURLに決め、もう一方からリダイレクトします。
Web制作では、内部リンク、canonical、SNSリンク、名刺やチラシに載せるURLなどで、表記をそろえることが大切です。
サブドメイン
サブドメインは、ドメインの前に名前を付けたものです。
blog.example.com
shop.example.com
support.example.com用途ごとにサイトを分ける時に使われます。
たとえば、会社サイトは example.com、ブログは blog.example.com、ECサイトは shop.example.com のように分けられます。
ネームサーバー
ネームサーバーは、ドメインのDNS情報を管理するサーバーです。
ドメインを取得したあと、どのネームサーバーを使うかを設定します。
ネームサーバーを切り替えると、DNS情報の管理先が変わります。
AレコードとCNAMEレコードの入口
DNSにはいろいろなレコードがありますが、Web制作でまず見かけるのはAレコードとCNAMEレコードです。
| レコード | ざっくりした役割 |
|---|---|
| Aレコード | ドメインをIPアドレスにつなぐ |
| CNAMEレコード | ある名前を別の名前に向ける |
たとえば、example.com をサーバーのIPアドレスへ向ける時にAレコードを使います。
www.example.com を example.com に向けるような場面では、CNAMEレコードを使うことがあります。
この講座では、レコードを細かく設定するところまでは扱いません。
ただし、Webサイトが表示されない時に「DNSの向き先が違うかもしれない」と疑えることが大切です。
表示トラブルでDNSを疑う場面
次のような時は、DNSやドメイン設定が関係している可能性があります。
- ドメインでアクセスしてもサーバーにつながらない
wwwありでは見えるが、なしでは見えない- ドメイン変更直後で人によって見え方が違う
- サーバー移転後に古いサイトが出る
- メールは使えるがWebサイトが見えない
DNSは見た目ではわかりにくいため、トラブル時は「設定を変えた直後か」「どのURLで見えないか」を整理します。
この章のまとめ
- ドメインはWebサイトの住所のような名前
- DNSはドメイン名からサーバーの場所を探す仕組み
- DNS設定の変更は、反映に時間差が出ることがある
wwwありとなしは、URLとしては別物- AレコードやCNAMEレコードは、ドメインの向き先を決める基本的な設定